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法 話
☆☆
【 私の如是我聞 】
第92回
迷いの生活
更新
2019年4月
『
終夜睡眠
(
しゅうやすいみん
)
し昼間は交際を楽しむ、
愚人
(
ぐにん
)
が
苦悩
(
くのう
)
を
滅
(
め
)
っするのはいつのことであろうか』
【「相応部」】
現代
(
げんだい
)
はつきあいの
時代
(
じだい
)
であるといわれるほど人との
交渉
(
こうしょう
)
のはげしい時代です。
したがってまた、
娯楽
(
ごらく
)
が今日ほど
発達
(
はったつ
)
したときもないと思われます。
人びとは楽しく遊びながら、
睡眠
(
すいみん
)
をむさぼっています。
しかし、これでほんとうに
充
(
み
)
ちたりたよろこびを
感
(
かん
)
じているのでしょうか。
むしろ心の底にある不安から逃れるために、かえってそのような娯楽に走っているのではないでしょうか。
また
便利
(
べんり
)
な世の中は、ますます私たちの生活を忙しくしています。
私たちはその忙しさにまけて、かえって自己の
本心
(
ほんしん
)
を見失い、そのためにかえって忙しく走りまわっているのではないでしょうか。
これがすなわち迷いの生活であって、このような生活をいくらつづけても、決して苦悩がなくなるときはありません。
善導大師
(
ぜんどうだいし
)
の 『
礼讃
(
らいさん
)
』には、「人間そうそうとして
衆務
(
しゅうむ
)
を営み、
年命
(
ねんみょう
)
の
日夜
(
にちや
)
に
去
(
さ
)
ることを
覚
(
おぼ
)
えず。
灯
(
ともしび
)
の
風中
(
ふうちゅう
)
にありて、
滅期
(
めつご
)
し
難
(
がた
)
きが
如
(
ごと
)
し、
忙々
(
ぼうぼう
)
たる
六道定趣
(
ろくどうじょうしゅ
)
なし」とあります。
私たちの
生活
(
せいかつ
)
もそのとおりであります。
毎日
(
まいにち
)
五分
(
ごふん
)
でも
十分
(
じゅっぷん
)
でも、しずかに自分を振り返って、 自分のありかたを確かめたいものだと思います。
※『ひかりの言葉』
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一このたびのこのご縁は
初事と思うべし
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