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☆☆
法 話
☆☆
【 私の如是我聞 】
第53回
不安のままで*
病苦
(
びょうく
)
更新
平成28年1月
ひょっとして、病院に入院されておられる方で、この本を読んで下さっている方があるかもしれません。
お部屋は個室ですか?それとも何人かご一緒でしょうか?
冷房が
効
(
き
)
かなかったり効きすぎるということはありませんか?
外の景色は、毎日何か変化がみられるでしょうか?
ベッドはちょうどよい
堅
(
かた
)
さですか?
身の回りの物を置く場所は都合のよい高さになっていますか?
看護婦さんはよく話しかけてくださいますか?
お医者さんはあなたの病状の様子を充分に聞いてくださるでしょうか?
病院の食事はおいしくいただくことができますか?
夜はよく眠れないのに朝早くから目がさめてしまって、周りに気を遣っておられませんか?
手術の後の傷は痛みませんか?どこか他に
辛
(
つら
)
いところはありませんか?
このようにお尋ねをしてみても、それぞれの病気によって痛みは違うでしょうし、同じ病気と診断されていても、 一人ひとり辛さの感じ方が違っておられることでしょう。
ですから、病いの痛みや辛さの本当のところは、結局はご本人にしかわからないことなのかもしれません。
そしてなによりも苦しいことは、どうしてこうなるのだろうか、いつまでこれが続くのだろうかという不安感が
拭
(
ぬぐ
)
いきれないことではないでしょうか?
周りの方は、
「大丈夫だよ。
焦
(
あせ
)
ることはないよ。日にちが薬だよ」
と励ましの言葉をかけてくださるでしょうが、ご本人にしてみれば、
「そんなことはわかっている、わかっていても、、、、」
とおっしゃりたいに違いありません。
病気に負けてはダメだ、などとたやすく口にします。
けれども、少しでもよい
兆候
(
ちょうこう
)
が見えてこそ、前向きの気持ちも保てるでしょうが、 身体の痛みや辛さが消えていかない限り、気持ちが沈み、気力が
衰
(
おとろ
)
えてくるのは当然のことです。
繰り返し言いますが、それは当然のことなのです。
もしもあなたが、
「生死のことは、自分が思いはからってもどうなることではない。すべてお医者さまにまかせておけばよい」
というふうに思っておられる方なら、何も申し上げることはありません。
けれども「こんなことではいけない」と思いながらも、やはり気持ちが
萎
(
な
)
えてくるとおっしゃるのならば、「もっと気持ちを強くもたねば、、、」 と思いすぎないようにされることです。
あまりそう思いすぎると、強くなれない自分が情けなくなり、かえってあきらめてしまうことにもなり、より一層気持ちが疲れてしまいます。
自分で自分の気持ちを
叱咤
(
しった
)
するのは、健康なときでも大変なのですから、、、。
幸いに
親鸞
(
しんらん
)
さまのみ教えは、
「
所詮
(
しょせん
)
生死のことは私の思い通りになることではないという境地になれ」と勧められるものではありません。
他人はたいしたことではないと思うようなことでも、大丈夫なのだろうかと不安になるような私、わかっていても不安感が拭えない私のための教えであり、 そのための
阿弥陀
(
あみだ
)
さまであります。
親鸞さまは、阿弥陀さまは「たのもしい」方だとおっしゃいましたが、不安を打ち消す強い心を持てと言われるのでなく、不安そのままでよい、 その不安全部を抱きとめようとされるからこそ、「たのもしい」のです。
痛みや辛さに耐えるだけで大変なのです。
ですから、あなたの生死の不安や心配は、そのまま引き受けようとされるのが阿弥陀さまなのです。
※『ひらがな真宗』本願寺出版社 定価:\756(本体\700+税) 電話 075-371-4171
最近、「仏教の言葉がむずかしい」「漢字が多くてどうも」という若い方の声や、「高校生や中学生にもわかりやすく真宗のご法話をしたいが」 という年輩方の声をよく耳にします。
※本書は、『ひらがな真宗』の題が示すとおり、まさにその声にこたえるべき待ち望まれていた書です。
「
名号
(
みょうごう
)
」 「
本願
(
ほんがん
)
」 「
浄土
(
じょうど
)
」 「
他力
(
たりき
)
」といった真宗の用語を、その用語のしめす雰囲気でわかったつもりで使うのでなく、 専門的な言葉を使わずに説明したり、ご法話するすることは簡単なことではありません。
また、せっかくわかりやすくと思っても、やさしい言い回しにとらわれすぎて、真宗の教えの真意がうすれてしまっては意味がありません。
その点でも本書は、実にすぐれた書であるといえます。
若い方にもわかりやすく、日常生活の中の身近な話題をピックアップしていて、肩の力を抜いて読むことができます。
それでいて温もりのある、心にひびく文章には、こども会を続けてこられた森田氏【森田 真円氏】のお人柄があふれているような気がします。
一九九九年十二月
東光 爾英 【『ひらがな真宗』「はじめに」より抜粋】
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