☆☆ 法 話 ☆☆
 
【 私の如是我聞 】

                   
第39回 幼い子供との別れ更新 平成26年11月

 ご両親さまをはじめ、ご親族の皆さまがたのおこころをお察しするとき、何と申しあげてよいか、言葉をうしなってしまいます。
 どうしてこんなに早く、どうしてこんなに幼くして、私たちを残して先立ってしまったのか、なぜ、なぜうちの子だけがと、 深い悲しみの中に、生きる望みさえ見うしなってしまわれる程でございましょう。
 しかし、本当につらいことですが、この別れの事実を、私たちはどうしても、受け入れていかねばなりません。
親子としての出会いはわずかの月日であったけれど、たくさんの思い出を残してくれてありがとう、そのみじかい「いのち」を やしつくして輝いた、かけがえのない「いのち」のすばらしさと尊さを、 教えてくれてありがとうと、お子さまにお礼を申すようになりたいものです。
 阿弥陀如来さまは、お子さまのために、深いあわれみをおかけくださっています。 
お子さまをみ光りのうちにおさめとり、いだきとってお浄土へつれていってくださっています。
そして、お浄土において、きっとかならず共に会うことができるといわれています。
 この悲しみを、この苦しみをのりこえ、さまざまな尊いことに気づかせていただくためには、これをご縁にして、親鸞聖人の み教えを聞かせていただくことより、ほかにはありません。
 平安時代の歌人かじん和泉式部いずみしきぶは、 わが子に先立たれた悲しみを
 ゆめを 
 あだにはかなきをしれと
 おしえてかえる 知識ちしきなり  【繰り返し朗読】
と歌っています。
 お子さんが短いその生涯しょうがいを つくして、私どもに告げようとされたことを、阿弥陀如来さまのみ教えをとおして、聞き開かせていただきましょう。
それが人生の善き師、すなわち善知識としてのお子さんの語りかけに答える道であり、残された私たちが、 命がけでたずねていかねばならないことだと思います。

 では最後に、ご一緒にお念仏申しましょう。南無阿弥陀仏・・・・。

※『朗読法話集(第一集)』(本願寺出版社 1,300円 電話 075-371-4171)
読経だけでなく、少しでも、み教えを味わっていただけるようにとの願いから、本願寺から刊行されました。
※本書は「仏の教え」「浄土真宗の教え」「特別法話」「荘厳・仏事・作法」の四種類に分類しています。一つの法話で ひとつの内容を味わっていただけるよう編集されています。
※ご法座の最後は、「では最後にご一緒にお念仏申しましょう」といって、一同がお念仏を申しながら、 合掌礼拝して終了します。


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今生最後と思うべし 一このたびのこのご縁は 我一人の為と思うべし 一このたびのこのご縁は 初事と思うべし 一このたびのこのご縁は 聴聞の心得


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