《 聖典の講座 》
 
『無常迅速 生死の事大なり』

  
第98回 女性のための正信偈しょうしんげ 更新 2019年10月

 1 はじめに
 親鸞聖人しんらんしょうにんの み教えを聞くものにとって、
帰命無量寿如来、南無不可思議光きみょうむりょうじゅにょらい、なもふかしぎこう」 ほど なつかしい ひびきをもった言葉はありません。
 もう数年前のことでありますが、ハワイ、北米を経て、ブラジルに行ったことがあります。
 そのおりに感じたことですが、ハワイの地であっても、アメリカであっても、また地球の真反対のブラジルであっても、 「帰命無量寿如来きみょうむりょうじゅにょらい」の声が聞こえてきますと、 遠いところへ来たという気持ちが少しもしませんでした。
 それどころか、 故郷ふるさとに帰った気がしたものです。
 また自分の家の宗教を知らない、都会の核家族の人たちも、子どものころに聞いた 「帰命無量寿如来きみょうむりょうじゅにょらい」の言葉だけは耳に残っているようです。
 「正信偈しょうしんげ」は、 親鸞聖人しんらんしょうにん心血しんけつを そそいでくださった 「教行信証きょうぎょうしんしょう」の「行の巻」を しめくくってくださる 讃偈さんげ【おうた】です。
 この讃偈だけを とりだして、今日のように 和讃わさんを つけて 読誦どくじゅするようにしてくださったのは、 本願寺八代目ほんがんじはちだいめ蓮如上人れんにょしょうにんです。
 それから今日まで、 親鸞聖人しんらんしょうにんのお流れを くむものは、朝夕仏前に座して、 「正信偈しょうしんげ」を 読誦どくじゅしてきた訳です。
 多くの人たちが 読誦どくじゅしてきた歴史が、 「正信偈しょうしんげ」を聞くと、私たちに 故郷ふるさとを感じさせるのでしょう。



※『女性のための正信偈しょうしんげ』 
    藤田徹文ふじたてつぶん
本願寺出版社
電話 075-371-4171
 

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本願寺出版社




今生最後と思うべし 一このたびのこのご縁は 我一人の為と思うべし 一このたびのこのご縁は 初事と思うべし 一このたびのこのご縁は 聴聞の心得


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