《 聖典の講座 》
 
『無常迅速 生死の事大なり』

  
第75 回 御袖章おんそでしょう大意たいい 更新 平成29年11月

 浄土真宗じょうじんしゅう信心しんじんのいわれをくわしく知りたいと思う人は、 ことさらに 智慧ちえ学識がくしきもいりません。
ただ自分は罪深つみぶかいものであると り、このようなものまでも おすくいくださるみ仏は、 阿弥陀如来あみだにょらいだけであると しんじて、ただひとすじに、このみ仏の おそでにすがるような思いで、 後生ごしょうをおたすけくださいとおまかせするならば、み仏は深くお喜びになり、 八万四千はちまんしせん光明こうみょうはなって、その 光明こうみょうの中におさめとってくださいます。
そのことを『観経かんぎょう』には、 「光明遍照十方世界こうみょうへんじょうじっぽうせかい 念仏衆生摂取不捨ねんぶつしゅじょうせっしゅふしゃ」と説かれています。
ですから、私が仏になることにはなんの心配もありません。
なんと世に超えすぐれた 本願ほんがんであり、なんとありがたい 阿弥陀如来あみだにょらい光明こうみょうでしょう。
 この 光明こうみょうえんえなかったならば、はかりしれない昔からつくり続けてきた つみのさわりも決して消えることはありません。
いまこの光明のはたらきにより、如来のお育てをいただき、他力の信心を得ることができました。
この信心も、自分の力でおこす信心ではなく、まったく阿弥陀如来から与えられたものであることがはっきりとわかります。
そこで、他力の信心を得た人は、阿弥陀如来のご恩を心にかけ、常に 仏恩報謝ぶっとんほうしゃの念仏を申すべきです。



※『御文章ごぶんしょう ひらがなばん拝読はいどくのためにー』(本願寺出版社 定価:\756(本体\700+税) 電話 075-371-4171)

  蓮如上人五百回遠忌法要れんによしょうにんごひゃっかいおんきほうよう記念きねんして 『御文章ごぶんしょうーひらがなばん』が ご制定せいていになりました。
本書ほんしょ は、この『御文章ごぶんしょう』を 有縁うえん方々かたがたが、 ただしく 拝読はいどくし、 おきくださった 趣旨しゅしをよく ご理解りかいいただくように 配慮はいりょして 制作せいさくした 解説書かいせつしょです。
御文章ごぶんしょう』は、 蓮如上人れんにょしょうにん浄土真宗じょうどしんしゅうの みおしえの 精髄せいずいを、 人々ひとびと生活せいかつそくしてわかりやすく おきになり、 幾百星霜いくひゃくせいそう脈々みゃくみゃく今日こんにちつたえられてまいりました 宗門しゅうもん大切たいせつ御聖教おしょうぎょうであります。
蓮如上人御一代記聞書れんにょしょうにんごいちだいきききがき』に、 「『御文章ごぶんしょう』は、 凡夫ぼんぶ浄土じょうど往生おうじょうする みちあきらかに うつかがみ」【一七七条】であり、また 「毎日まいにち、 『御文章ごぶんしょう』の とうとい お言葉ことばかせていただくことは、そのつど たから頂戴ちょうだいするようなもの」【二八八条】であると べられている 所以ゆえんです。
本書ほんしょ編集へんしゅう浄土真宗教学研究所じょうどしんしゅうきょうがくけんきょうしょ担当たんとういたしましたが、 勤式指導所ごんしきしどうしょ協力きょうりょくて、 拝読はいどく方法ほうほう考慮こうりょして 本文ほんぶんにわかりやすい 仮名がな拝読符号はいどくふごうし、 研究所けんきゅうしょにおいて、 脚註きゃくちゅう巻末註かんまつちゅうもうけて、 各通かくつう大意たいい解説かいせつするなどの 措置そちこうじました。
本書ほんしょを、 ご制定せいていの 『御文書ごぶんしょうーひらがなばん拝読はいどく手引てびきとして、いつでもどこでも ひもとき、 活用かつよういただくことを 念願ねんがんいたします。

 平成十年十一月十三日
 浄土真宗教学研究所所長
    石田慶和
【「刊行にあたって」より 抜粋】


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本願寺出版社




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