《 聖典の講座 》
 
『無常迅速 生死の事大なり』

  
第67回 一流安心章いちりゅうあんじんしょう大意たいい 更新 平成29年3月

 浄土真宗じょうどしんしゅう安心あんじんというのは 南無阿弥陀仏の六字のいわれを聞き開くことです。 
 善導大師ぜんどうだいしはこの六字を、
言南無者即是帰命 ごんなむしゃそくぜきみょう 亦是発願回向之義やくぜほつがんえこうしぎ 以斯義故いしぎこ 必得往生ひっとくおうじょう」と釈されています。
「南無」とは帰命きみょうということであり、 帰命とは、衆生しゅじょうが阿弥陀如来におたすけくださいとおまかせすることです。
また発願回向ほつがんえこうとは、おまかせした衆生を如来が おさめとってお救いになることです。
これはそのまま「阿弥陀仏」の四字の意味でもあります。
 そこで私たちのような愚かなものは、どういう心をもち、また阿弥陀如来をどのようにたのみたてまつればよいのかというと、自力にたよることをやめ、 後生をおたすけくださいと二心ふたごころなく阿弥陀如来におまかせするのです。
そうすれば、浄土に往生おうじょうすることは疑いありません。
 このように、「南無」の二字は、衆生しゅじょうが 阿弥陀如来をたのむという機をあらわしており、「阿弥陀仏」の四字は、たのむ衆生をおたすけくださる法をあらわしているから、 機法一体きほういったいの南無阿弥陀仏というのです。
このようないわれがあるので、私たちの往生は南無阿弥陀仏の六字にあらわし尽くされているのです。




※『御文章ごぶんしょう ひらがなばん拝読はいどくのためにー』(本願寺出版社 定価:\756(本体\700+税) 電話 075-371-4171)

  蓮如上人五百回遠忌法要れんによしょうにんごひゃっかいおんきほうよう記念きねんして 『御文章ごぶんしょうーひらがなばん』が ご制定せいていになりました。
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蓮如上人御一代記聞書れんにょしょうにんごいちだいきききがき』に、 「『御文章ごぶんしょう』は、 凡夫ぼんぶ浄土じょうど往生おうじょうする みちあきらかに うつかがみ」【一七七条】であり、また 「毎日まいにち、 『御文章ごぶんしょう』の とうとい お言葉ことばかせていただくことは、そのつど たから頂戴ちょうだいするようなもの」【二八八条】であると べられている 所以ゆえんです。
本書ほんしょ編集へんしゅう浄土真宗教学研究所じょうどしんしゅうきょうがくけんきょうしょ担当たんとういたしましたが、 勤式指導所ごんしきしどうしょ協力きょうりょくて、 拝読はいどく方法ほうほう考慮こうりょして 本文ほんぶんにわかりやすい 仮名がな拝読符号はいどくふごうし、 研究所けんきゅうしょにおいて、 脚註きゃくちゅう巻末註かんまつちゅうもうけて、 各通かくつう大意たいい解説かいせつするなどの 措置そちこうじました。
本書ほんしょを、 ご制定せいていの 『御文書ごぶんしょうーひらがなばん拝読はいどく手引てびきとして、いつでもどこでも ひもとき、 活用かつよういただくことを 念願ねんがんいたします。

 平成十年十一月十三日
 浄土真宗教学研究所所長
    石田慶和
【「刊行にあたって」より 抜粋】


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