《 聖典の講座 》
 
『無常迅速 生死の事大なり』

  
第65回 毎月両度章まいがつりょうどしょう大意たいい 更新 平成29年1月

 
 毎月二度の会合をするのはなんのためかといえば、自身が浄土に往生する、その信心を得るためです。
 ところが、その信心について話し合うことはまったくなくて、近ごろは飲み食いだけして帰っています。
これは仏法の本意にかなっていません。
信心を決定けつじょうしていない人々は疑問とするところを問いただして、 信心の有無を話し合うべきなのに、なんの得るところもなく帰ってしまうのでは、会合した意味がありません。
これからは、信心を決定していない人々はお互いに信心について話し合うことが大切です。
そもそも浄土真宗じょうどしんしゅうの信心とは、いかに自分の罪が深くとも、 自力のはからいを捨て、二心ふたごころなく 阿弥陀如来に帰命きみょうし、後生をおたすけくださいと如来におまかせすることです。 
その衆生しゅじょうを、如来がことごとくお救いくださることは疑いありません。
このように信心のいわれをよく心得た人は百人が百人、みな往生できるのです。
その上で毎月会合をしても、仏恩報謝ぶっとんほうしゃのためと承知するならば、 それこそ真実信心を得た行者といえましょう。 
 



※『御文章ごぶんしょう ひらがなばん拝読はいどくのためにー』(本願寺出版社 定価:\756(本体\700+税) 電話 075-371-4171)

  蓮如上人五百回遠忌法要れんによしょうにんごひゃっかいおんきほうよう記念きねんして 『御文章ごぶんしょうーひらがなばん』が ご制定せいていになりました。
本書ほんしょ は、この『御文章ごぶんしょう』を 有縁うえん方々かたがたが、 ただしく 拝読はいどくし、 おきくださった 趣旨しゅしをよく ご理解りかいいただくように 配慮はいりょして 制作せいさくした 解説書かいせつしょです。
御文章ごぶんしょう』は、 蓮如上人れんにょしょうにん浄土真宗じょうどしんしゅうの みおしえの 精髄せいずいを、 人々ひとびと生活せいかつそくしてわかりやすく おきになり、 幾百星霜いくひゃくせいそう脈々みゃくみゃく今日こんにちつたえられてまいりました 宗門しゅうもん大切たいせつ御聖教おしょうぎょうであります。
蓮如上人御一代記聞書れんにょしょうにんごいちだいきききがき』に、 「『御文章ごぶんしょう』は、 凡夫ぼんぶ浄土じょうど往生おうじょうする みちあきらかに うつかがみ」【一七七条】であり、また 「毎日まいにち、 『御文章ごぶんしょう』の とうとい お言葉ことばかせていただくことは、そのつど たから頂戴ちょうだいするようなもの」【二八八条】であると べられている 所以ゆえんです。
本書ほんしょ編集へんしゅう浄土真宗教学研究所じょうどしんしゅうきょうがくけんきょうしょ担当たんとういたしましたが、 勤式指導所ごんしきしどうしょ協力きょうりょくて、 拝読はいどく方法ほうほう考慮こうりょして 本文ほんぶんにわかりやすい 仮名がな拝読符号はいどくふごうし、 研究所けんきゅうしょにおいて、 脚註きゃくちゅう巻末註かんまつちゅうもうけて、 各通かくつう大意たいい解説かいせつするなどの 措置そちこうじました。
本書ほんしょを、 ご制定せいていの 『御文書ごぶんしょうーひらがなばん拝読はいどく手引てびきとして、いつでもどこでも ひもとき、 活用かつよういただくことを 念願ねんがんいたします。

 平成十年十一月十三日
 浄土真宗教学研究所所長
    石田慶和
【「刊行にあたって」より 抜粋】


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