《 聖典の講座 》
 
『無常迅速 生死の事大なり』

  
第58回 横截五悪趣章おうぜつごあくしゅしょう大意たいい 更新 平成28年6月


阿弥陀如来の本願が世に超えすぐれているというのは、よごれきった 末法まっぽうの世で、迷いの罪を作り続ける私たちを救うためにおこされた、 この上なくすぐれた誓願であるからです。
それでは、どのようにこの本願を心得、どのように阿弥陀如来を信じて浄土に往生するのでしょうか。
このことをくわしく述べましょう。
末法の世に生れた今の人々は、他の神や仏をたのみとせず、ただひたすら阿弥陀如来に 帰命きみょうすれば、どれほど罪が深くとも、み仏は大慈悲をもって、 光明こうみょうの中におさめとってくださいます。
このことを『観経かんぎょう』には、 「光明こうみょう 遍照へんじょう 十方世界じょぽうせかい 念仏衆生ねんぶつしゅじょう 摂取不捨せっしゅふしゃ」と説かれています。
また如来の本願の不可思議なはたらきによって、迷いの世界への道をふさいでくださいます。
それを 『大経だいきょう』には、 「横截五悪趣悪趣自然閉おうぜつごあくしゅあくしゅじねんぺい」 と説かれています。
如来の本願を信じて少しも疑いの心がないならば、たとえ地獄へおちる身であると思っていても、 阿弥陀如来の光明におさめとられたものは、地獄に落ちず浄土に往生する身となるのです。
このように、如来の大慈悲のご恩をおおいにうけている身ですから、いつも念仏して 仏恩ぶっとんに報じなければなりません。
これが真実信心を得たすがたです。


※『御文章ごぶんしょう ひらがなばん拝読はいどくのためにー』(本願寺出版社 定価:\756(本体\700+税) 電話 075-371-4171)

  蓮如上人五百回遠忌法要れんによしょうにんごひゃっかいおんきほうよう記念きねんして 『御文章ごぶんしょうーひらがなばん』が ご制定せいていになりました。
本書ほんしょ は、この『御文章ごぶんしょう』を 有縁うえん方々かたがたが、 ただしく 拝読はいどくし、 おきくださった 趣旨しゅしをよく ご理解りかいいただくように 配慮はいりょして 制作せいさくした 解説書かいせつしょです。
御文章ごぶんしょう』は、 蓮如上人れんにょしょうにん浄土真宗じょうどしんしゅうの みおしえの 精髄せいずいを、 人々ひとびと生活せいかつそくしてわかりやすく おきになり、 幾百星霜いくひゃくせいそう脈々みゃくみゃく今日こんにちつたえられてまいりました 宗門しゅうもん大切たいせつ御聖教おしょうぎょうであります。
蓮如上人御一代記聞書れんにょしょうにんごいちだいきききがき』に、 「『御文章ごぶんしょう』は、 凡夫ぼんぶ浄土じょうど往生おうじょうする みちあきらかに うつかがみ」【一七七条】であり、また 「毎日まいにち、 『御文章ごぶんしょう』の とうとい お言葉ことばかせていただくことは、そのつど たから頂戴ちょうだいするようなもの」【二八八条】であると べられている 所以ゆえんです。
本書ほんしょ編集へんしゅう浄土真宗教学研究所じょうどしんしゅうきょうがくけんきょうしょ担当たんとういたしましたが、 勤式指導所ごんしきしどうしょ協力きょうりょくて、 拝読はいどく方法ほうほう考慮こうりょして 本文ほんぶんにわかりやすい 仮名がな拝読符号はいどくふごうし、 研究所けんきゅうしょにおいて、 脚註きゃくちゅう巻末註かんまつちゅうもうけて、 各通かくつう大意たいい解説かいせつするなどの 措置そちこうじました。
本書ほんしょを、 ご制定せいていの 『御文書ごぶんしょうーひらがなばん拝読はいどく手引てびきとして、いつでもどこでも ひもとき、 活用かつよういただくことを 念願ねんがんいたします。

 平成十年十一月十三日
 浄土真宗教学研究所所長
    石田慶和
【「刊行にあたって」より 抜粋】


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本願寺出版社




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