《 聖典の講座 》
『無常迅速 生死の事大なり』
第55回 |
睡眠章の
大意 |
更新 |
平成28年3月 |
今年の夏は、なぜかことに
眠気におそわれて、このように眠いのはいったいどうしたことかと考えてみますに、
これはきっと浄土に往生するときが近づいたのではないかと思われます。
本当にどうしようもなく、またなごり惜しいことです。
しかし、私は今日までも、往生のときが今にもくるかと、油断せずにその心構えはしていました。
それにつけても、この土地で、私の亡き後も信心を
決定する人たちが、これから後も続いてくださるようにと、いつも心から願っているのです。
私が往生することについては、なんの疑いもありませんが、あなたがたの心には、大いに油断があるように思います。
命のあるかぎり、私たちは、いつ往生のときがきてもよい心構えで生きるべきです。
しかし、あなた方はその心構えが十分にできていないように思います。
明日をも知れないはかない命です。
命が終わってからでは、なにをいってもむなしいことです。
命のある間に疑いがはれなかったならば、きっと後悔するばかりでしょう。
どうぞ、十分にお考えになってください。
※『御文章 ひらがな版
ー拝読のためにー』(本願寺出版社 定価:\756(本体\700+税) 電話 075-371-4171)
蓮如上人五百回遠忌法要を
記念して
『御文章ーひらがな版』が
ご制定になりました。
本書
は、この『御文章』を
有縁の
方々が、
正しく
拝読し、
お説きくださった
趣旨をよく
ご理解いただくように
配慮して
制作した
解説書です。
『御文章』は、
蓮如上人が
浄土真宗の
み教えの
精髄を、
人々の
生活に
即してわかりやすく
お説きになり、
幾百星霜を
経て
脈々と
今日に
伝えられてまいりました
宗門の
大切な
御聖教であります。
『蓮如上人御一代記聞書き』に、
「『御文章』は、
凡夫が
浄土に
往生する
道を
明らかに
映し
出す
鏡」【一七七条】であり、また
「毎日、
『御文章』の
尊い
お言葉を
聞かせていただくことは、そのつど
宝を
頂戴するようなもの」【二八八条】であると
述べられている
所以です。
本書の
編集は
浄土真宗教学研究所が
担当いたしましたが、
勤式指導所の
協力を
得て、
拝読の
方法を
考慮して
本文にわかりやすい
読み
仮名と
拝読符号を
付し、
研究所において、
脚註や
巻末註を
設けて、
各通の
大意を
解説するなどの
措置を
講じました。
本書を、
ご制定の
『御文書ーひらがな版』
拝読の
手引きとして、いつでもどこでも
繙き、
活用いただくことを
念願いたします。
平成十年十一月十三日
浄土真宗教学研究所所長
石田慶和
【「刊行にあたって」より 抜粋】
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本願寺出版社
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