《 聖典の講座 》
 
『無常迅速 生死の事大なり』

第45回 諸仏に讃えられて(二) 更新 平成27年5月
(偈文) 
一切善悪いっさいぜんあく凡夫人ぼんぶにん如来にょらい弘誓願ぐぜいがん聞信もんしんすれば、 ぶつ広大勝解こうだいょうげのひととのたまへり。 このひと分陀利華ふんだりけと名づく。
         (第四十四話〜第四十六話)
  信心しんじんに生きる人は 「広大勝解こうだいょうげのひと」と諸仏から 称讃しょうさんされます。
さらに諸仏は、この人を 「分陀利華ふんだりけ」 とたたえられるのです。
分陀利華ふんだりけとは 白蓮華びゃくれんげのことです。 「仏説観無量寿経ぶっせつかんむりょうじゅきょう」には、この はなを念仏者にたとえて、
 もし念仏ねんぶつするものがいるなら、 まことにその人はしろきよらかな はすはなとたたえられる とうとひとであると るがよい
     (『浄土三部経』現代語訳二一三頁)
といわれています。
蓮華れんげは泥沼の中から生えてきます。
そして美しい花を咲かせます。
その花は雪のように純白で人目をうばうほど美しいのです。
すばらしいよい香りを放って人びとの心を引きつけます。
念仏者も、まさしく白蓮華びゃくれんげと同じです。
時代も社会も、そしてそこに住む人たちの心は濁っていても、その中でうるわしい姿を現します。
煩悩ぼんのうの泥沼の中にあって、仏のさとりを開くべき身となります。
それはあたかも、泥の中に根を張って美しく咲きつづける 白蓮華びゃくれんげに似ています。
釈迦仏しゃかぶつをはじめとして、あらゆる仏から、 「広大勝解こうだいょうげのひと」
白蓮華びゃくれんげ」とほめられることは、実に尊いことです。
善導大師ぜんどうだいしは、
 もし 念仏ねんぶつするものは、すなはちこれ 人中にんちゅう好人こうにんなり、 人中にんちゅう妙好人みょうこうにんなり、 人中にんちゅう上上人じょうじょうにんなり、 人中にんちゅう稀有人けうにんなり、 人中にんちゅう最勝人さいしょうにんなり。
      (『注釈版聖典』 七祖篇四九九頁)
といわれました。

(話題) 
妙好人みょうこうにんとはどういう人をいうのでしょうか。

※『朗読法話集(第二集)』(本願寺出版社 1.200円 電話 075-371-4171)【『朗読法話集(第二集) 正信偈のこころ』として本願寺より刊行されています。】
この本は 「正信偈念仏偈しょうしんねんぶつげ」の 依経段えきょうだん を50編に分け、一つのテーマでひとつの内容を味わっていただけるようになっています。
※本書を朗読し、自分自身が味わいを深めていきたいものです。



今生最後と思うべし 一このたびのこのご縁は 我一人の為と思うべし 一このたびのこのご縁は 初事と思うべし 一このたびのこのご縁は 聴聞の心得


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