《 聖典の講座 》
『無常迅速 生死の事大なり』
(偈文)
凡聖・逆謗斉しく
回入すれば、
衆水海に
入りて
一味なるがごとし。
(第三十七話)
「苦しみ悩むすべての衆生()を救う」、
これが
阿弥陀如来()の
本願()です。
老いも若きも、男子も女子も、善人も悪人も平等にお救いくださる
阿弥陀如来()の
本願()です。
たとえば、海には多くの川の水が流れ込んできます。
どの川の水も真水です。
それが海に流れ込みますと、全部同一の塩水になってしまいます。
この道理と同じように、どのような
極悪()の人でも、
修行の徳を積んでいない私たちのような平凡な人間も、徳高く
智慧()すぐれた
聖者()も、
老少善悪を問わず、本願()を信ずる人は、
わけへだてなく、一味平等()に
仏の功徳()、
智慧()をいただくのです。
たとえ教えをそしっていた人であっても、心を転じて
本願()を信ずるようになったならば、
平等にお救いにあずかるのです。
念仏者という平等の道を歩み、
浄土往生()という平等のさとりを得る、
これが浄土真宗の教えです。
「念仏の声を 世界に子や孫に」
というスローガンの目ざすところもここにあります。
自分の幸せだけを願って、他をかえりみる心を失いがちな昨今の風潮であり、自分の生命は大切にしても他人の生命は
軽視しがちな近ごろの情勢ですが、自分も他人も、共に幸せになるように願って生きてゆく心をもたなくてはなりません。
(話題) 差別なき世界とはどんな世界でしょうか。そのために、今、私たちはなにをなすべきでしょうか。
※『朗読法話集(第二集)』(本願寺出版社 1.200円 電話 075-371-4171)【『朗読法話集(第二集)
正信偈のこころ』として本願寺より刊行されています。】
この本は
「正信偈念仏偈()」の
依経段()
を50編に分け、一つのテーマでひとつの内容を味わっていただけるようになっています。
※本書を朗読し、自分自身が味わいを深めていきたいものです。
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