《 聖典の講座 》
 
『無常迅速 生死の事大なり』

     
第155回  蓮如上人御一代記聞書れんにょしょうにんごいちだいきききがき新釋 更新 2024年7月

 (26) 鳥部野の煙
 鳥部野をおもひやるこそあはれなれ ゆかりの人のあととおもへば。
 是も、聖人の御歌なり。

 【意訳】
 
  「鳥部野とりべのをおもひやるこそあはれなれ ゆかりの人のあととおもへば」という歌がある。
 これも前条の「世のなかに」云々の御歌とおなじく 御開山聖人ごかいさんしょうにんの御歌であると、 蓮如上人れんにょしょうにんおおせられた。

 【解説】
 親鸞聖人しんらんしょうにんの御歌として つたえられるものが、前条と今条とに二首かきつけられてある。
 この一首は、京都の 東山ひがしやまにある 鳥部野とりべの有縁うえんの人が 火葬かそうされて煙に化したところであるとおもうと、もののあわれが もよおされるという意味で、人生の 無常むじょうにふれた 感傷かんしょうである。
  白骨はっこつ御文おふみをものされた蓮如上人は、いつもこの御歌をひいてさとされたことと想像される。



※『蓮如上人御一代記聞書れんにょしょうにんごいちだいきききがき新釋』 
    梅原真隆うめはらしんりゅう
本願寺出版社
電話 075-371-4171
 

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本願寺出版社




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