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《 聖典の講座 》
『無常迅速 生死の事大なり』
第115回
女性のための
正信偈
(
しょうしんげ
)
「
龍樹菩薩
(
りゅうじゅぼさつ
)
の教え【1】」
更新
2021年3月
18
龍樹菩薩
(
りゅうじゅぼさつ
)
の教え【1】
「
釈迦如来楞伽山
(
しゃかにょらいりょうがせん
)
」
【釈迦如来楞伽山にして】
「
為衆告命南天竺
(
いしゅうごうみょうなんてんじく
)
」
【衆の為に告命したまわく 南天竺に】
「
龍樹大士出於世
(
りゅうじゅだいじりゅっとせ
)
」
【龍樹大士 世にいでて】
「
悉能摧破有無見
(
しつのうざいはうむけん
)
」
【ことごとく有無の見を摧破せん】
「
宣説大乗無上法
(
せんぜつだいじょうむじょうほう
)
」
【大乗無上の法を宣説し】
「
証歓喜地生安楽
(
しょうかんぎじしょうあんらく
)
」
【歓喜地を証して安楽に生ぜんと】
釈尊は、
楞伽山
(
りょうがせん
)
でお説きになった 『
楞伽経
(
りょうがきょう
)
』の中で、大慧菩薩の
「釈尊が世を去られたあと、誰れが このみ
法
(
のり
)
を人々に伝えるのですか」という問いに答えて、
私に本当のやすらぎをあたえてくれた
内証
(
ないしょう
)
の
智慧
(
ちえ
)
は、自分の思いでしか、ものを見ないものには、全く受けとることができないであろう。
私が世を去ったあと、私に真のやすらぎをあたえてくれた この智慧を、誰れが説いてくれるだろうか。
未来にまさに、このことを説いてくれる人があらわれるだろう。
その人は、南インドに生まれ、
龍樹菩薩
(
りゅうじゅぼさつ
)
と名づけられるだろう。
そして、その人は、すべてのものには永遠に変わることのない実体があると
固執
(
こしゅう
)
する〈有〉の見解、また反対に、すべてのものは結局時がたてば消えてなくなってしまい、 何も残らないのだという〈無〉の見解が間違いであることを明らかにし、人々のために、私に本当のやすらぎをあたえてくれた真実の智慧によって明らかにされた 無上の法を説き、人々と共に真実のよろこびを得、安楽国に生まれるであろう。
と、説かれています。
この釈尊のお言葉のとおり、釈尊が世を去られておよそ七百年の後(西暦150~250)南インドにお生まれになったのが
龍樹菩薩
(
りゅうじゅぼさつ
)
であります。
龍樹菩薩
(
りゅうじゅぼさつ
)
は幼少の頃から優れた才能に恵まれ、いろいろなことを学ばれました。
その一つが えい身の術(姿をかくす術)でした。
青年の頃、龍樹菩薩はその術を使って、友人と王宮に忍びこみ、後 宮の女官と戯れているところを発見され、目の前で友人は殺され、自らは、 生命からがら逃げることができましたが、そのようなことが契機となり、出家されたと伝えられています。
自らの欲望によって ひきおこされる苦悩にめざめたとき、
聡明
(
そうめい
)
な
龍樹菩薩
(
りゅうじゅぼさつ
)
は道を求めずにはおれなかったのでしょう。
まず、龍樹菩薩は、当時インドで広く行われていた
小乗
(
しょうじょう
)
の仏教を学び、わずか九十日で そのすべてを習得されたといわれています。
その後、
大乗
(
だいじょう
)
の教えに入られて、すべてのとらわれ を超えた 「
空
(
くう
)
」の真理を体得されました。
「
空
(
くう
)
」の真理とは、すべてのものは因(直接原因)と 縁(間接原因)より
成立
(
せいりつ
)
し、永遠に変わることのない実体がある(有の見解)のでもなく、反対に、 何もない(無の見解)というのでもなく、すべてのものは、因と縁の変化により変化し、何一つとして
固定
(
こてい
)
したものではなく、固執すべきものもないという真理であります。
私たちの苦しみや悩みは、ものごとに こだわるところから起きます。
今、手にしているものは、いつまでも存在し、変わらないものだと固執するとき、自分の手の中のものが一つ一つ消えていくことは苦しみであり、 変化は悩みであります。
一つのものに とらわれ、一つ場に固執する時、私たちは自らを金縛りにしてしまいます。
変化のなかで、あたえられた人生を精一杯生きていくというような、のびのびした人生は、「空」において可能になるのです。
「空」とは、文字どおり、大空のように広々とした世界です。
大空を思いきり飛び回るような人生が どうしたら私たちのような こだわりの強い人間に可能になるのでしょうか。
「大乗無上の法」によって、そんな人生があたえられると説いてくださるのが龍樹菩薩です。
龍樹菩薩
(
りゅうじゅぼさつ
)
は 「
大乗無上
(
だいじょうむじょう
)
の法」によって本当のよろこびの人生があたえられ、 間違いなく お浄土に生まれることのできる人生があたえられると説いてくださったのです。
「大乗無上の法」とは、南無阿弥陀仏の
名号法
(
みょうごうほう
)
です。
小さなこだわりの
殻
(
から
)
の中に とじこもっている私たちにむかって「広い広い大空のような世界がありますよ。 何も恐れることはないのです。どんなことがあろうとも私がいるではないか」と、呼びつづけてくださる南無阿弥陀仏こそ「大乗無上の法」です。
龍樹菩薩は、この「大乗無上の法」、「南無阿弥陀仏」を すすめて私たちに よろこびの人生を、浄土に生まれる人生を教えてくださったのです。
よろこびの人生を生きた
妙好人
(
みょうこうにん
)
・
浅原才市同行
(
あさはらさいちどうぎょう
)
は、
ずるずると暮れる日々の その中で
月日とつれて ご恩をよろこぶ
わたしゃ しあわせ
なむあみだぶつ 目に見えぬ
大けなご恩で 目に見えぬ
虚空
(
こくう
)
を見るには 虚空にだかれて
平一面 虚空の中よ
とうたっております。
※『女性のための
正信偈
(
しょうしんげ
)
』
藤田徹文
(
ふじたてつぶん
)
本願寺出版社
電話 075-371-4171
お経の本やCDや仏書の販売
西本願寺の本
本願寺出版社
今生最後と思うべし
一このたびのこのご縁は
我一人の為と思うべし
一このたびのこのご縁は
初事と思うべし
一このたびのこのご縁は
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