☆☆ 法 話 ☆☆
 
【 私の如是我聞 】

第20回 帰すべきところ 更新 平成25年4月

 よく人生は、旅であるといわれます。しかし旅であるとするなら、最後に帰り着くところが明らかになっていなければなりません。 そうでなければ、行くあてのない、 「流浪るろうたび」になるでしょう。
 では人生の旅で、最後に帰り着くところは、どこでしょうか。
このことがはっきりし、約束されていないと、どんな楽しみの多い日々であっても、それはむなしい 砂上さじょう楼閣ろうかくであり、不安の中で、人生の旅を終えることになるでしょう。
浄土真宗の教えは、人生のほんとうの目的を示し、帰るべきところを教えています。 私たちの帰るべきところ、それが阿弥陀如来のお浄土です。
私どもは、決して浄土から出てきたわけではありません。しかし、親のいるところが子供の帰るべきところですから、 祖師そしがたも、浄土を 「家郷かきょう」とか 「本家ほんけ」とよんでなつかしんでおられます。
私たちを、必ずお浄土に生れさせようという、阿弥陀如来さまのおはからいによって、 お浄土を帰るべき「家郷かきょう」とよばせていただけるのは、 本当にありがたいことです。
 親鸞聖人は、先立っていったお弟子をしのんで、 「かねて申していたとおり、必ず浄土でお会いします」としるされています。
お浄土は同じ念仏申すものが、もう一度、会いまみえることのできる世界です。 「阿弥陀経あみだきょう」には 「倶会一処くえいっしょ」・ともにひとところで会うことができると、 説かれています。
 お念仏のみ教えにより、限りない「いのち」の世界がすべき 家郷かきょうとして約束されていること、そして、お浄土でふたたび、 先立った人びとと会わせていただくことができることを、しみじみと味わわせていただきましょう。

 では最後に、ご一緒にお念仏申しましょう。南無阿弥陀仏・・・・。

※『朗読法話集(第一集)』(本願寺出版社 1,300円 電話 075-371-4171)
読経だけでなく、少しでも、み教えを味わっていただけるようにとの願いから、本願寺から刊行されました。
※本書は「仏の教え」「浄土真宗の教え」「特別法話」「荘厳・仏事・作法」の四種類に分類しています。一つの法話で ひとつの内容を味わっていただけるよう編集されています。
※ご法座の最後は、「では最後にご一緒にお念仏申しましょう」といって、一同がお念仏を申しながら、 合掌礼拝して終了します。


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今生最後と思うべし 一このたびのこのご縁は 我一人の為と思うべし 一このたびのこのご縁は 初事と思うべし 一このたびのこのご縁は 聴聞の心得


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