《 聖典の講座 》
『無常迅速 生死の事大なり』
親鸞聖人が「行文類」の偈前の文の終わりに、
「正信念仏偈」を作りていはく、
といわれていますように、「正信偈」は詳しくは、「正信念仏偈」です。「正信」というのは、正しい信心という意味です。正しい信心とは、私たち人間が自分の力でおこす信心ではなく、阿弥陀如来がおこさせてくださった信心という意味です。如来さまのお呼び声を聞いて、私たちが自分のはからいをまじえず、疑いをさしはさまず、すべてを阿弥陀如来におまかせしたのが信心です。「念仏」とは、口に「南無阿弥陀仏」と称えることです。正しい信心をいただいた人は、かならず口にお念仏が出てきます。そのお念仏は、ご信心をいただいたよろこびのうえから、ご恩報謝で称えるお念仏です。
「偈」とは讃歌の意味です。したがって「正信念仏偈」は、「正しく信じて、お念仏を称えていきてゆくよろこびの讃歌」です。
現在、日本の国には、いろいろな宗教があります、そのいずれもが、信心を説いています。その中には、災難を除き、物質的幸福を求めるために信心を強要する宗教もあります。あるいは、複数の宗教を信じていることが、いかにも美徳のように錯覚している人もいます。そういう誤った信心に対して、ほんとうの信心とはどういうことかを教えて下さったのが親鸞聖人です。「正信偈」を拝読しつつ、正しい信心の意味を考えてみましょう。
(話題)
「信心」ということの意味について考えてみましょう。
※『朗読法話集(第二集)』(本願寺出版社 1.200円 電話 075-371-4171)【『朗読法話集(第二集)
正信偈のこころ』として本願寺より刊行されています。】
この本は
「正信偈念仏偈」の
依経段
を50編に分け、一つのテーマでひとつの内容を味わっていただけるようになっています。
※本書を朗読し、自分自身が味わいを深めていきたいものです。
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