《 聖典の講座 》
『無常迅速 生死の事大なり』
親鸞聖人のお書きくださった
正信偈は、
聖人がご往生の後、聖人を慕う人たちによって、大切に伝えられてきました。蓮如上人もまた、
正信偈を
「大事の
お聖教」
として仰がれたお一人でした。
蓮如上人は、四十六歳のときに、
「正信偈大意」
という本をお書きになっておられます。その表題が示すように、
正信偈の
意味を簡明にお示しくださったものです。この本には、
奥書が
あって、そこには次のようにお述べになっています。
この「正信偈大意」は、
近江の
金森の
「道西」
さんにのぞまれて、書きました。私は、まだ十分に考えがまとまっていませんでしたので、再三辞退したのですが、道西さんがしきりに要望するので書いたのです。まだまだ十分な内容とはいえませんが、できるかぎり、やさしく表現するように心がけました。
この
奥書からも
わかるように、上人が道西さんの望みで、真宗の教えをできるだけ平易に、そして、簡潔に述べられたのが、
「正信偈大意」です。
道西さんは近江の
金森()の
道場に住し、蓮如上人のお父上の、第7代ご門主
存如上人()の頃から本願寺にお参りしていた人です。蓮如上人もたびたび
金森()へ
おこしになり、ことに、五十一歳のとき、
延暦寺()の
「衆徒()」に
よって大谷本願寺が破却された後は、
金森()の
道場に滞在されています。
「正信偈大意()」を
導きとして、
正信偈()を
拝読するようにいたしましょう。
蓮如上人のことを
『御文章()』や
『蓮如上人御一代記聞書()』で
学びましょう。
※『朗読法話集(第二集)』(本願寺出版社 1.200円 電話 075-371-4171)【『朗読法話集(第二集)
正信偈のこころ』として本願寺より刊行されています。】
この本は
「正信偈念仏偈()」の
依経段()
を50編に分け、一つのテーマでひとつの内容を味わっていただけるようになっています。
※本書を朗読し、自分自身が味わいを深めていきたいものです。
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