《 聖典の講座 》
 
『無常迅速 生死の事大なり』

第4回 蓮如上人と正信偈 更新 平成23年12月

 親鸞聖人のお書きくださった 正信偈しょうしんげは、 聖人がご往生の後、聖人を慕う人たちによって、大切に伝えられてきました。蓮如上人もまた、 正信偈しょうしんげを 「大事だいじの お聖教しょうぎょう」 として仰がれたお一人でした。
蓮如上人は、四十六歳のときに、 「正信偈大意しょうしんげたいい」 という本をお書きになっておられます。その表題が示すように、 正信偈しょうしんげの 意味を簡明にお示しくださったものです。この本には、 奥書おくがきが あって、そこには次のようにお述べになっています。

  この「正信偈大意しょうしんげたいい」は、 近江の 金森かねがもりの 「道西どうさい」 さんにのぞまれて、書きました。私は、まだ十分に考えがまとまっていませんでしたので、再三辞退したのですが、道西さんがしきりに要望するので書いたのです。まだまだ十分な内容とはいえませんが、できるかぎり、やさしく表現するように心がけました。

  この 奥書おくがきからも わかるように、上人が道西さんの望みで、真宗の教えをできるだけ平易に、そして、簡潔に述べられたのが、
正信偈大意しょうしんげたいい」です。 道西さんは近江の 金森かねがもりの 道場に住し、蓮如上人のお父上の、第7代ご門主 存如上人ぞんにょしょうにんの頃から本願寺にお参りしていた人です。蓮如上人もたびたび 金森かねがもりへ おこしになり、ことに、五十一歳のとき、
延暦寺えんりゃくじの 「衆徒しゅと」に よって大谷本願寺が破却された後は、 金森かねがもりの 道場に滞在されています。 「正信偈大意しょうしんげたいい」を 導きとして、 正信偈しょうしんげを 拝読するようにいたしましょう。
 
 蓮如上人のことを 『御文章ごぶんしょう』や 『蓮如上人御一代記聞書れんにょしょうにんごいちだいきききがき』で 学びましょう。

※『朗読法話集(第二集)』(本願寺出版社 1.200円 電話 075-371-4171)【『朗読法話集(第二集) 正信偈のこころ』として本願寺より刊行されています。】
この本は 「正信偈念仏偈しょうしんねんぶつげ」の 依経段えきょうだん を50編に分け、一つのテーマでひとつの内容を味わっていただけるようになっています。
※本書を朗読し、自分自身が味わいを深めていきたいものです。



今生最後と思うべし 一このたびのこのご縁は 我一人の為と思うべし 一このたびのこのご縁は 初事と思うべし 一このたびのこのご縁は 聴聞の心得


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