《 聖典の講座 》
 
『無常迅速 生死の事大なり』

第33回 釈尊のねがい【二】 更新 平成26年5月

(偈文) 
如来によらい興出こうしゅつしたまふゆえは、
ただ 弥陀みだ本願海ほんがんかいかんとなり、
五濁悪時ごじょくあくじ群生海ぐんじょうかい如来如実にょらいにょじつみことしんずべし。
         (第三十二話〜三十四話)

 お釈迦しゃかさまがお説きくださった教を編集したものが お経です。
華厳経けごんきょう」 「阿含経あごんきょう」 「般若経はんにゃきょう」 「法華経ほけきょう」 「涅槃経ねはんぎょう」 「無量寿経むりょうじょきょう」など、数多くのお経が生まれました。
このいずれもが、お釈迦しゃかさまのさとりからでていますから、 どれも尊いことは言うまでもありません。
それらの数あるお経のなかでお釈迦しゃかさまが いちばんお説きになりたかったことは一体何だったのでしょうか。
親鸞聖人はそれを、 「如来にょらい興出こうしゅつしたまふゆえは、ただ 弥陀みだ本願海ほんがんかいかんとなり」とおっしゃっています。
「お釈迦しゃかさまがこの世にお生まれになったのは、 阿弥陀如来あみだによらい本願ほんがんを説くためであった」と仰がれたのです。 
釈迦しゃかさまは、自らのさとりの内容を、相手に応じて さまざまにお説きになりました。
その目的は「苦しむ悩むすべての人びとを救う」ことにあったのです。
親鸞聖人は、苦しみ悩むすべての人びとを救う道、それは 阿弥陀如来あみだによらい本願ほんがんによる以外にはないとおっしゃいました。
数多くのお経、それはいずれもお釈迦しゃかさまのお説法ですから、 それらのお経に説かれているとおりの道を歩めば、私たちもさとりをひらくことができましょう。
しかし、大切なことは、私たちが歩みをつづけることができるのはどの道なのか、どの教えであれば私が仏になれるのかということです。
私が仏になることのできる道はどれかということを、よく考えてみましょう。

(話題)
あなたが仏になることのできる道はどんな道でしょうか。


※『朗読法話集(第二集)』(本願寺出版社 1.200円 電話 075-371-4171)【『朗読法話集(第二集) 正信偈のこころ』として本願寺より刊行されています。】
この本は 「正信偈念仏偈しょうしんねんぶつげ」の 依経段えきょうだん を50編に分け、一つのテーマでひとつの内容を味わっていただけるようになっています。
※本書を朗読し、自分自身が味わいを深めていきたいものです。



今生最後と思うべし 一このたびのこのご縁は 我一人の為と思うべし 一このたびのこのご縁は 初事と思うべし 一このたびのこのご縁は 聴聞の心得


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