《 聖典の講座 》
 
『無常迅速 生死の事大なり』

第32回 釈尊のねがい【一】 更新 平成26年4月

(偈文) 
如来によらい興出こうしゅつしたまふゆえは、
ただ 弥陀みだ本願海ほんがんかいかんとなり、
五濁悪時ごじょくあくじ群生海ぐんじょうかい如来如実にょらいにょじつみことしんずべし。
         (第三十二話〜三十四話)

 仏教をお説きくださったお釈迦しゃかさまは、 今から約二千五百年ほど前、インドの国の釈迦族しゃかぞくの 王子として誕生されました。
王子という恵まれた環境の中で、なにひとつ不自由なく暮らしておられましたが、やがて世の無常を知り、 まことの幸福を求めて二十九歳のときに出家しゅっけされ、その後 ひたすら修行にはげまれました。
そして三十五歳のときに、ついにさとりを開かれたのです。 
八十歳で入滅にゅうめつされるまで、一切の人々をさとりに導こうという 大きな目的を抱かれて、相手に応じて、お説法をされました。
ですからお釈迦しゃかさまのお説法を 応病与薬おうびょうよやくと申します。 
医師が、患者の容態に応じて薬を与えるのと同じように、相手に応じてお説法されたという意味です。 
そのお説法の内容も多岐にわたりましたから、 八万四千はちまんしせん法門ほうもんともいうようになりました。
釈迦しゃかさまが亡くなったあと、 お釈迦しゃかさまがご在世中にお説きになった教えが散逸しないように、 そして正しい教えが後の世にいつまでも伝えられるようにと願って、お弟子たちが集まって お釈迦しゃかさまのお説法を編集しました。
それが、今日私たちが読誦どくじゅしているお経です。
お経はお釈迦しゃかさまのお説法です。 
ですから私たちは、お経を大切にしなくてはなりません。
そしてお経の中に説かれていることを、しっかり学ぶことが大切です。

(話題)
あなたは、今までお経をどのように思っていましたか。


※『朗読法話集(第二集)』(本願寺出版社 1.200円 電話 075-371-4171)【『朗読法話集(第二集) 正信偈のこころ』として本願寺より刊行されています。】
この本は 「正信偈念仏偈しょうしんねんぶつげ」の 依経段えきょうだん を50編に分け、一つのテーマでひとつの内容を味わっていただけるようになっています。
※本書を朗読し、自分自身が味わいを深めていきたいものです。



今生最後と思うべし 一このたびのこのご縁は 我一人の為と思うべし 一このたびのこのご縁は 初事と思うべし 一このたびのこのご縁は 聴聞の心得


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