《 聖典の講座 》 『無常迅速 生死の事大なり』

聴聞の心得 一、このたびのこのごえん は、初事はつごとと思うべし
一、このたびのこのごえん は、我一人われいちにんの為と思うべし
一、このたびのこのごえん は、今生最後こんじょうさいごと思うべし

  第3回  知恩報徳の讃歌
更新 平成23年11月


 正信偈しょうしんげは、 は、親鸞聖人がお書きになった
顕浄土真実教行証文類けんじょうどしんじつきょうぎょうしょうもんるい』 の中の
行文類ぎょうもんるい」の 最後のところに記された 偈文げもんです。 聖人は、この 偈文げもんの 冒頭の 「帰命無量寿如来きみょうむりょうじゅにょらい」 というお言葉の前に、 正信偈しょうしんげを 制作した意図を述べておられます。
正信偈しょうしんげの 前に書かれている文章ですから、普通 「偈前の文げぜんのもん」と 言っていますが、その要点は、「他力真宗の正しい教えを示し、仏さまの深いご恩を思って 正信偈しょうしんげを 作った」という意味のお言葉です。 その最後のところには、
 『しかれば 大聖だいしょう(釈尊)の 真言しんごんし、 大祖だいそ解釈げしゃくえっして、 仏恩ぶつとん深遠じんのん なるを 信知しんちして、 「正信偈念仏偈しょうしんげねんぶつげ」を 作りていはく、、、』(『注釈版聖典二○二頁) と言われ、つづいて
帰命無量寿如来きみょうむりょうじゅにょらい」と 述べられています。
これは、  釈尊しゃくそんの まことの教えに 帰依きえし、 七高僧しちこうそうの お書きになった 書物しょもつ拝読はいどくして、 阿弥陀如来あみだにょらいの ごおんふかい ことを り、 報謝ほうしゃの ために 正信念仏偈しょうしんねんぶつげを 作ります。
という意味ですから、 正信偈しょうしんげは、 ご恩報謝のこころをもって、 阿弥陀如来あみだにょらいの お徳を讃えられた親鸞聖人のよろこびの讃歌といえるでしょう。
聖人がお念仏のみ教えに生きられたように、私たちもまた、 正信偈しょうしんげを 拝読することによって、聖人の生き方をお手本にし、一日一日を、お念仏の中に 生きるようにつとめたいものです。
親鸞聖人が多くの人に慕われるのは、どうしてでしょうか。

※『朗読法話集(第二集)』(本願寺出版社 1.200円 電話 075-371-4171)【『朗読法話集(第二集) 正信偈のこころ』として本願寺より刊行されています。】
この本は 「正信偈念仏偈しょうしんねんぶつげ」の 依経段えきょうだん を50編に分け、一つのテーマでひとつの内容を味わっていただけるようになっています。
※本書を朗読し、自分自身が味わいを深めていきたいものです。


本堂の、内陣です。





四季折々の花で、一時を。
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