《 聖典の講座 》
 
『無常迅速 生死の事大なり』

第29回 浄土への道を歩む 更新 平成26年1月

(偈文) 
等覚とうがく大涅槃だいねはんしょうすることは、
必至滅度ひっしめつどがん (第十一願) 成就じょうじゅなり。
         (第二十九話〜三十一話)

 次に、親鸞聖人はお念仏に生きる人びとに与えられる 利益りやくをお説きになっています。
どんな利益りやくでしょうか。
それは、この世に生きているままで、お浄土に生れることにまちがいのない身となり、 この世の 寿命じゅみょうがつきたそのときには、 浄土に生れて仏にならせていただくという 利益りやくです。
お浄土に生れる身にしていただくのは、この世で得る 利益りやくです。
浄土に往生して仏にしていただくのは来世で得る 利益りやくです。
 お念仏に生きる人は、この世と来世の両方にわたって 利益りやくをいただきます。
等覚とうがくというのは、 仏道を歩む 菩薩ぼさつの最高の地位を言います。
お念仏に生きる人は 菩薩ぼさつの最高位と同じ身分になるのです。
ですから、この世を終われば次の世には仏になるのです。
これがこの世でいただく 利益りやくです。
大涅槃だいねはんとは、 この世の命が終わって、来世に浄土に生れて仏のさとりをひらくことを言います。
お浄土に生れた人は、迷うすべての人びとを救おうと積極的に活動する、 そういうすばらしい力がめぐまれます。
それは、 阿弥陀如来あみだにょらい四十八願しじゅうはちがんの中の 第十一番目に、
必至滅度ひっしめつど」、 すなわち、お念仏を信ずる人を必ず迷いの世界からさとりの世界に渡してみせるという誓いを 完成されているからです。
その約束のとおりに、私たちはお浄土に生れて仏になることができるのです。
私たちはお浄土に向かって、一日一日を充実した思いで生きてゆく身になるのです。


(話題)
 いろいろな宗教の利益りやくと 浄土真宗の 利益りやくの違いについて話し合ってください。


※『朗読法話集(第二集)』(本願寺出版社 1.200円 電話 075-371-4171)【『朗読法話集(第二集) 正信偈のこころ』として本願寺より刊行されています。】
この本は 「正信偈念仏偈しょうしんねんぶつげ」の 依経段えきょうだん を50編に分け、一つのテーマでひとつの内容を味わっていただけるようになっています。
※本書を朗読し、自分自身が味わいを深めていきたいものです。



今生最後と思うべし 一このたびのこのご縁は 我一人の為と思うべし 一このたびのこのご縁は 初事と思うべし 一このたびのこのご縁は 聴聞の心得


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