《 聖典の講座 》 『無常迅速 生死の事大なり』

聴聞の心得 一、このたびのこのごえん は、初事はつごとと思うべし
一、このたびのこのごえん は、我一人われいちにんの為と思うべし
一、このたびのこのごえん は、今生最後こんじょうさいごと思うべし

  第2回  正信偈しょうしんげの作者
更新 平成23年10月


 正信偈しょうしんげ のお勤めは、真宗の門徒にとって、もっとも身近なものです。 「正信偈しょうしんげ」 は、親鸞聖人がお書きになった 『顕浄土真実教行証文類けんじょうどしんじつきょうぎょうしょうもんるい』 というお聖教の中の一節です。このお聖教は、浄土真宗の大切な書物で、 「教行信証きょうぎょうしんしょう」、 あるいは、 「御本典ごほんでん」とも言っています。 御本典ごほんでん とは、浄土真宗の根本の聖典という意味です。 『顕浄土真実教行証文類けんじょうどしんじつきょうぎょうしょうもんるい』は、 「教文類きょうもんるい」 「行文類ぎょうもんるい」 「信文類しんもんるい」 「証文類しょうもんるい」 「真仏土文類しんぶつどもんるい」 「化身土文類けしんどもんるい」 の六巻からできています。この中の 「行文類ぎょうもんるい」 のいちばん最後のところに、 正信偈しょうしんげ がでているのです。
 親鸞聖人は、 承安じょうあん 三年(一一七三年)に、京都の日野の里でお生まれになりました。 九歳で出家して、二十年間 比叡山ひえいざん で仏教を勉強し、仏道修行にはげまれました。 二十九歳のとき 比叡ひえい の山を去って、 法然上人ほうねんしょうにん の門下に入り、お念仏の道を学ばれたのです。それ以来、九十歳で往生されるまで、 念仏の教えを人びとに伝え、人間が本当に幸せに生きる道は、 その教えに導かれる以外にないということを説きつづけられました。聖人は、自分自身の姿を徹底的にみつめられ、 名誉や財産、あるいは権力などを求めず、ひたすら人びとが仏さまの 「まこと」に生かされてゆく道を切り開いてゆかれた方でした。このような生き方をされた 親鸞聖人が、私たちを導くためにお書き下さったのが 正信偈しょうしんげ です。私たちも、 正信偈しょうしんげを学んで、私にとって、今、なにがもっとも大切かを考えてみましょう。
親鸞聖人はどんなお方だったのか、 「御伝鈔ごでんしょう」 (『註釈版聖典』所収)などで学びましょう。

※『朗読法話集(第二集)』(本願寺出版社 1.200円 電話 075-371-4171)【『朗読法話集(第二集) 正信偈のこころ』として本願寺より刊行されています。】
この本は 「正信偈念仏偈しょうしんねんぶつげ」の 依経段えきょうだん を50編に分け、一つのテーマでひとつの内容を味わっていただけるようになっています。
※本書を朗読し、自分自身が味わいを深めていきたいものです。


本堂の、内陣です。





四季折々の花で、一時を。
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