| 「苦しみの中でこそ《 |
| 『回心』 |
| 自分が可愛い |
| ただ それだけのことで |
| 生きていた |
| それが 深い悲しみとなったとき |
| ちがった世界が |
| ひらけてきた |
| 『いれもの』 |
| やどかりが |
| 自分の殻を |
| 自分だと言ったらおかしいだろう |
| 私は 自分の殻を |
| 自分だと思っている |
| 『煩悩のうた』 |
| 煩悩のうたを |
| うたってゆこう |
| 切ないけれど |
| それよりないのだ |
| 私のうた |
| 煩悩のうた |
| 懐かしきうた |
| 『問い』 |
| なんのために生きているのか |
| 愚かな 愚かな問い |
| 私の 最初の問い |
| そして 今も |
| 一番底にある問い |
| わかったつもりの私が |
| 愚かな 愚かな私に |
| 突き当たる問い |
| |
| 「小さなこと《 |
| ごく小さな 悪の芽が |
| 積み重ねられて |
| とりかえしの |
| つかないことに なる |
| ごく小さな 善行が |
| 積み重ねられて |
| やがて |
| 大きな善行になる |