「凡夫の救い」 |
「信者 吉兵衛さんの言葉(一)」 |
つよい時ばかり よろこぶのなら、 |
誰れでも よろこぶ。 |
ホンマの仏法は どのような難儀に |
会うても、 その難儀の底に |
横たわってある 仏法ヤ。 |
いかほどつらいと 申しても、 |
尻すえて居られず、 一日一日 |
片ずいていくノヤ。 気色のよい話ヤ。 |
油断だらけのものに、 ご油断のない法が |
あらわれて、 育てて下さるから、 |
油断ということが ないノヤ。 |
私はもっと迷いたいのに 迷われぬ目にあう。 |
ほんとうに 死ぬことが知れたら、 |
毎日勇んで 日を送れるノヤ。 |
金というものは 結構なものヤ。 |
そんな結構な金を、わが身の 責め道具にする人もある。 |
生きているつもりで、 |
生き生き、 死んでいるノヤ。 |