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「 |
| 弥陀の本願決定成就して、 |
| 極楽世界を荘厳したてて、 |
| 御目を見まわしては、 |
| わが吊を称うる人やあるかと |
| ご覧じ、 |
| 御耳をかたむけては、 |
| わが吊を称うる人やあるかと、 |
| 夜晝(よるひる)つねにきこしめ |
| さるるなり。 |
| 一称も一念も阿弥陀仏にしられず |
| ということなし。 |
| 弥陀は吊をもって物を摂したもう。 |
| これをもって耳にきき口に誦すれ |
| ば、無辺の聖徳識心に攬入 |
| (らんにゅう)す。 |
| 永く仏種となりて、 |
| 頓(とみ)に億劫の重罪を除き、 |
| 無上菩提を獲証す。 |
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