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*八木重吉 詩人 |
*すべての くるしみのこんげんは |
むじょうけんに むせいげんに |
ひとをゆるすという |
そのいちねんがきえうせたことだ |
*ものを欲しいとおもわなければ |
こんなにもおだやかなこころに |
なれるのか |
うつろのように考えておったのに |
このきもちをすこし味わってみると |
ここから歩きだしてこそ |
たしかだとおもわれる |
なんとなく心のそこから |
はりあいのあるきもちである |
*しかし それでも |
愛せずには |
憎まずには |
怒らずには |
どうしても |
おれないのです |
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