《 聖典の講座 》
 
『無常迅速 生死の事大なり』

  
第99回 女性のための正信偈しょうしんげ
偈前げぜんのことば」
更新 2019年11月

 2 偈前げぜんのことば
 「正信偈しょうしんげ」がはじまります直前に、 親鸞聖人しんらんしょうにんが、浄土真宗の 正意しょういと、この 「正信偈しょうしんげ」を書こうとする気持ちをお述べになる一段があります。
この一段が、 「偈前げぜんしゃく」といわれるところです。
 どういうことが書かれているかというと、

 阿弥陀如来あみだにょらいさまの 誓願せいがんに、真実の行と信があり、また 方便ほうべんの行と信があります。
 真実の行が誓われる願は第十七願であり、真実の信を誓われた願は第十八願であります。
 これが 阿弥陀如来あみだにょらいにょらいさまが選んでくださった ご 本願ほんがんの行と信であります。
 そして、その お救いの 正機しょうき【めあて】は、 一切いっさいの善人であり、 賢者けんじゃであり、悪人であり、  愚者ぐしゃであります。
 そして その生まれていくところは、私たちの考えの およばない 真実しんじつ如来にょらいの世界であります。
 これが 「大無量寿経だいむりょうじゅきょう」の要点であり、浄土真宗の 正意しょういであります。

 と述べ、続いて 「知恩報徳ちおんほうとくのために」この
正信偈しょうしんげ」をつくる、と、
 その お心を 曇鸞大師どんらんだいしの お言葉をかりて  べられているのです。
 曇鸞大師どんらんだいしの お言葉とは、

  菩薩ぼさつ如来にょらいさまに 帰依きえするのは、 孝行こうこうな子が父母に素直にしたがうようなもので、自分の行動を一人ぎめせず、 つねに相談するようなものです。
 また、すべての人の真実の幸せを願うことは、軽がるしいことではありませんから、 如来にょらいさまの お力がなければ、なしとげることなどできません。

 と、いう言葉であります。



※『女性のための正信偈しょうしんげ』 
    藤田徹文ふじたてつぶん
本願寺出版社
電話 075-371-4171
 

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本願寺出版社




今生最後と思うべし 一このたびのこのご縁は 我一人の為と思うべし 一このたびのこのご縁は 初事と思うべし 一このたびのこのご縁は 聴聞の心得


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