《 聖典の講座 》
 
『無常迅速 生死の事大なり』

第9回 信心の表明 更新 平成24年5月

 「帰命無量寿如来きみょうむりょうじゅにょらい南無不可思議光なもふかしぎこう」の二句は、 親鸞聖人がご自分の信心をお述べになったものです。
昭和二十三年(一九四八年)の蓮如上人四百五十回忌を記念して制定された「しんじんのうた」には、
「ひかりといのちきわみなき、阿弥陀あみだほとけを仰がなん」と
意訳されています。
無量寿むりょうじゅ不可思議光ふかしぎこう阿弥陀如来あみだにょらいに、
南無なもし、帰命きみょういたします。」
という、親鸞聖人の信心の表明であると同時に、正信偈しょうしんげ全体を総括されたお言葉です。
「私は、無量寿むりょうじゅ不可思議光ふかしぎこう阿弥陀如来あみだにょらいに、  南無なもし、帰命きみょうして、  この正信偈しょうしんげを書きますから、みなさんも、どうか、  正信偈しょうしんげをごえんとして、  この阿弥陀如来あみだにょらい本願ほんがんを信じてください。」
という聖人のねがいがこもっているのです。
南無なも」とは、古代の中国の言葉、漢文に訳したのが、「帰命きみょう」です。
いずれも、「阿弥陀如来あみだにょらいのおおせにしたがう」
という意味で、単なる尊敬の気持ちをあらわすものではありません。
阿弥陀如来あみだにょらいに向かって、
「どうかおたすけください」とお願いをする言葉でもありません。
「いつでも、どこでも、私と一緒にいてくださる阿弥陀如来あみだにょらいに、
すべてをおまかせします」という絶対随順ぜったいずいじゅんの心をあらわしています。
阿弥陀如来あみだにょらいの仰せにしたがって生きてゆく人生のたしかさを、
私たちもここで学びましょう。
 
(話題)
 阿弥陀如来あみだにょらい帰依きえされた親鸞聖人のおこころもち、
それを私たちがいただくということは、どういうことでしょう。

※『朗読法話集(第二集)』(本願寺出版社 1.200円 電話 075-371-4171)【『朗読法話集(第二集) 正信偈のこころ』として本願寺より刊行されています。】
この本は 「正信偈念仏偈しょうしんねんぶつげ」の 依経段えきょうだん を50編に分け、一つのテーマでひとつの内容を味わっていただけるようになっています。
※本書を朗読し、自分自身が味わいを深めていきたいものです。



今生最後と思うべし 一このたびのこのご縁は 我一人の為と思うべし 一このたびのこのご縁は 初事と思うべし 一このたびのこのご縁は 聴聞の心得


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