《 聖典の講座 》
 
『無常迅速 生死の事大なり』

第8回 題目の意味 更新 平成24年4月

 親鸞聖人が「行文類ぎょうもんるい」の偈前げぜんもんの終わりに、
正信念仏偈しょうしんねんぶつげ」をつくりていはく、
といわれていますように、「正信偈しょうしんげ」は詳しくは、「正信念仏偈しょうしんねんぶつげ」です。「正信しょうしん」というのは、正しい信心という意味です。正しい信心とは、私たち人間が自分の力でおこす信心ではなく、阿弥陀如来あみだにょらいがおこさせてくださった信心という意味です。如来さまのお呼び声を聞いて、私たちが自分のはからいをまじえず、疑いをさしはさまず、すべてを阿弥陀如来あみだにょらいにおまかせしたのが信心です。「念仏」とは、口に「南無阿弥陀仏なもあみだぶつ」ととなえることです。正しい信心をいただいた人は、かならず口にお念仏が出てきます。そのお念仏は、ご信心をいただいたよろこびのうえから、ご恩報謝でとなえるお念仏です。
」とは讃歌の意味です。したがって「正信念仏偈しょうしんねんぶつげ」は、「正しく信じて、お念仏を称えていきてゆくよろこびの讃歌」です。
現在、日本の国には、いろいろな宗教があります、そのいずれもが、信心を説いています。その中には、災難を除き、物質的幸福を求めるために信心を強要する宗教もあります。あるいは、複数の宗教を信じていることが、いかにも美徳のように錯覚している人もいます。そういう誤った信心に対して、ほんとうの信心とはどういうことかを教えて下さったのが親鸞聖人です。「正信偈しょうしんげ」を拝読しつつ、正しい信心の意味を考えてみましょう。
 
(話題)
 「信心」ということの意味について考えてみましょう。

※『朗読法話集(第二集)』(本願寺出版社 1.200円 電話 075-371-4171)【『朗読法話集(第二集) 正信偈のこころ』として本願寺より刊行されています。】
この本は 「正信偈念仏偈しょうしんねんぶつげ」の 依経段えきょうだん を50編に分け、一つのテーマでひとつの内容を味わっていただけるようになっています。
※本書を朗読し、自分自身が味わいを深めていきたいものです。



今生最後と思うべし 一このたびのこのご縁は 我一人の為と思うべし 一このたびのこのご縁は 初事と思うべし 一このたびのこのご縁は 聴聞の心得


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