《 聖典の講座 》
 
『無常迅速 生死の事大なり』

  
第73回 一念大利章いちねんだいりしょう大意たいい 更新 平成29年9月

 阿弥陀如来あみだによらいを 疑いなく信じるものに、この上ない 功徳くどくが与えられることを、 親鸞聖人しんらんしょうにんは ご和讃わさんに、
  「五濁悪世ごじょくあくせ有情うじょう選択本願せんじゃくほんがん信ずれば 不可称不可説不可思議ふかしょうふかせつふかしぎ功徳くどく行者ぎょうじゃにみてり」
とお示しになっています。
 私たちは、一生、悪をつくって生きてゆかなければならない 凡夫ぼんぶでありますが、 一心に 阿弥陀如来あみだにょらい帰命きみょうし、 後生ごしょうをおたすけくださいとおまかせする 衆生しゅじょうを、かならずお救いくださることは疑いありません。
このように疑いなく 如来にょらいを信じる 衆生しゅじょうに、はかりしれない 功徳くどくをあたえてくださるから、 過去・現在・未来にわたる罪のさわりもただちに消えて、浄土に生まれてさとりをひらく仲間に入るのです。
そのことをまた ご和讃わさんに、
弥陀みだ本願ほんがん しんずべし  本願ほんがん しんずるひとはみな 摂取不捨せっしゅふしゃ利益りやくゆえ 等正覚とうしょうがくにいたるなり」
とお示しになっています。
摂取不捨せっしゅふしゃというのは、 如来にょらいしんじる 衆生しゅじょう光明こうみょうの中におさめとってお捨てにならないということです。
 このほかさまざまな教えがあっても、 弥陀みだをたのむ 信心しんじん一つで 浄土じょうどに生まれることを、 決して疑ってはなりません。



※『御文章ごぶんしょう ひらがなばん拝読はいどくのためにー』(本願寺出版社 定価:\756(本体\700+税) 電話 075-371-4171)

  蓮如上人五百回遠忌法要れんによしょうにんごひゃっかいおんきほうよう記念きねんして 『御文章ごぶんしょうーひらがなばん』が ご制定せいていになりました。
本書ほんしょ は、この『御文章ごぶんしょう』を 有縁うえん方々かたがたが、 ただしく 拝読はいどくし、 おきくださった 趣旨しゅしをよく ご理解りかいいただくように 配慮はいりょして 制作せいさくした 解説書かいせつしょです。
御文章ごぶんしょう』は、 蓮如上人れんにょしょうにん浄土真宗じょうどしんしゅうの みおしえの 精髄せいずいを、 人々ひとびと生活せいかつそくしてわかりやすく おきになり、 幾百星霜いくひゃくせいそう脈々みゃくみゃく今日こんにちつたえられてまいりました 宗門しゅうもん大切たいせつ御聖教おしょうぎょうであります。
蓮如上人御一代記聞書れんにょしょうにんごいちだいきききがき』に、 「『御文章ごぶんしょう』は、 凡夫ぼんぶ浄土じょうど往生おうじょうする みちあきらかに うつかがみ」【一七七条】であり、また 「毎日まいにち、 『御文章ごぶんしょう』の とうとい お言葉ことばかせていただくことは、そのつど たから頂戴ちょうだいするようなもの」【二八八条】であると べられている 所以ゆえんです。
本書ほんしょ編集へんしゅう浄土真宗教学研究所じょうどしんしゅうきょうがくけんきょうしょ担当たんとういたしましたが、 勤式指導所ごんしきしどうしょ協力きょうりょくて、 拝読はいどく方法ほうほう考慮こうりょして 本文ほんぶんにわかりやすい 仮名がな拝読符号はいどくふごうし、 研究所けんきゅうしょにおいて、 脚註きゃくちゅう巻末註かんまつちゅうもうけて、 各通かくつう大意たいい解説かいせつするなどの 措置そちこうじました。
本書ほんしょを、 ご制定せいていの 『御文書ごぶんしょうーひらがなばん拝読はいどく手引てびきとして、いつでもどこでも ひもとき、 活用かつよういただくことを 念願ねんがんいたします。

 平成十年十一月十三日
 浄土真宗教学研究所所長
    石田慶和
【「刊行にあたって」より 抜粋】


お経の本やCDや仏書の販売 西本願寺の本
本願寺出版社




今生最後と思うべし 一このたびのこのご縁は 我一人の為と思うべし 一このたびのこのご縁は 初事と思うべし 一このたびのこのご縁は 聴聞の心得


トップページへ   聖典講座に戻る   書庫をみる