《 聖典の講座 》
　
『無常迅速　生死の事大なり』

第6回

正信偈拝読の心得

更新

平成24年2月

　『蓮如上人御一代記聞書（れんにょしょうにんごいちだいきききがき）』第三十二条に、次のような意味のお言葉があります。
「朝夕（あさゆう）に 正信偈和讃（しょうしんげわさん）をおつとめして、 念仏（ねんぶつ）するのは、 往生（おうじょう）の因（いん）になると思（おも）うか、それともならないと 思（おも）うか」と、 蓮如上人（れんにょしょうにん）が 僧（そう）たち 一人一人（ひとりひとり）に お尋（たず）ねになりました。これに 対（たい）して、 「往生（おうじょう）の因（いん）となると思（おも）う」というものもあり、 「往生（おうじょう）の 因（いん）とはならないと思（おも）う」というものもありましたが、 上人（しょうにん）は、 「どちらの 答（こた）えもよくない。 「正信偈和讃（しょうしんげわさん）」は、衆生（しゅじょう）が 弥陀如来（みだにょらい）を信（しん）じておまかせし、この信心（しんじん）を因（いん）として、このたび浄土（じょうど）に往生（おうじょう）させていただくという 道理（どうり）をお示（しめ）しくださったものである。だから、その お示（しめ）しをしっかりと聞（き）いて信心（しんじん）を得（え）て、ありがたいことだ、ありがたいことだと 親鸞聖人（しんらんしょうにん）の御影像（ごえいぞう）の前（まえ）で 喜（よろこ）ぶのである」と、繰り返し繰り返し仰（おお）せになりました。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(『蓮如上人御一代記聞書』現代語版二十六頁)
ここには正信偈（しょうしんげ）を拝読するときの、私たちの心がまえを、きわめて適切に示してくださっています。 正信偈（しょうしんげ）だけではありません。読経はすべてこの心がまえが大切です。自分の往生の因（いん）にしようとか、亡くなった人たちへの追善供養のためにお経を読むように思っている人がいます。 浄土真宗では、お経に説かれている 阿弥陀如来（あみだにょらい）の救いの法を聞かせていただいて、救われることを感謝して読経することを忘れてはなりません。 　
　
(話題)
　浄土真宗の読経の意義について話し合いましょう。

---

※『朗読法話集（第二集）』（本願寺出版社　1.200円　電話 075-371-4171）【『朗読法話集（第二集） 正信偈のこころ』として本願寺より刊行されています。】
この本は 「正信偈念仏偈（しょうしんねんぶつげ）」の 依経段（えきょうだん） を５０編に分け、一つのテーマでひとつの内容を味わっていただけるようになっています。
※本書を朗読し、自分自身が味わいを深めていきたいものです。

---

---

トップページへ 　　聖典講座に戻る 　　書庫をみる