《 聖典の講座 》
 
『無常迅速 生死の事大なり』

第54回 雪中章せっちゅうしょう大意たいい 更新 平成28年2月

このところ、 加賀かが能登のと越中えっちゅうなどの国から、 僧侶そうりょ在家ざいけの人も、 男も女も、たくさんの人がこの 吉崎よしざき参詣さんけいされますが、 その人たちがどういうお気持ちなのかと気がかりなことです。
というのは、 浄土真宗じょぅどしんしゅうのみ教えでは、 このたび浄土に往生することができるのは、他力の信心を得ることによるからです。
しかし、信心をたしかに得た人は見当たりません。
そうしたことで、どうして浄土に往生することができましょうか。
五里十里ごりじゅぅりという遠い道をなんとか踏み越えて、 この雪の中を 参詣さんけいされたのは、どういうお気持ちなのだろうかと、 はなはだ気がかりなことです。
そこでこれからどのように心得なければならないかというと、他力の信心のいわれをしっかり心にいただき、そのうえで、 仏恩報謝ぶっとんほうしゃのためにいつも 念仏ねんぶつすべきなのです。
このように心得たならば浄土往生は定まるのです。
その喜びからであれば、 とされる 僧侶そうりょてら出向でむいて ほどこしをなさるのもよいでしょう。
このような人を 浄土真宗じょうどしんしゅうの みおしえをよく心得た 信心しんじんの人というのです。



※『御文章ごぶんしょう ひらがなばん拝読はいどくのためにー』(本願寺出版社 定価:\756(本体\700+税) 電話 075-371-4171)

  蓮如上人五百回遠忌法要れんによしょうにんごひゃっかいおんきほうよう記念きねんして 『御文章ごぶんしょうーひらがなばん』が ご制定せいていになりました。
本書ほんしょ は、この『御文章ごぶんしょう』を 有縁うえん方々かたがたが、 ただしく 拝読はいどくし、 おきくださった 趣旨しゅしをよく ご理解りかいいただくように 配慮はいりょして 制作せいさくした 解説書かいせつしょです。
御文章ごぶんしょう』は、 蓮如上人れんにょしょうにん浄土真宗じょうどしんしゅうの みおしえの 精髄せいずいを、 人々ひとびと生活せいかつそくしてわかりやすく おきになり、 幾百星霜いくひゃくせいそう脈々みゃくみゃく今日こんにちつたえられてまいりました 宗門しゅうもん大切たいせつ御聖教おしょうぎょうであります。
蓮如上人御一代記聞書れんにょしょうにんごいちだいきききがき』に、 「『御文章ごぶんしょう』は、 凡夫ぼんぶ浄土じょうど往生おうじょうする みちあきらかに うつかがみ」【一七七条】であり、また 「毎日まいにち、 『御文章ごぶんしょう』の とうとい お言葉ことばかせていただくことは、そのつど たから頂戴ちょうだいするようなもの」【二八八条】であると べられている 所以ゆえんです。
本書ほんしょ編集へんしゅう浄土真宗教学研究所じょうどしんしゅうきょうがくけんきょうしょ担当たんとういたしましたが、 勤式指導所ごんしきしどうしょ協力きょうりょくて、 拝読はいどく方法ほうほう考慮こうりょして 本文ほんぶんにわかりやすい 仮名がな拝読符号はいどくふごうし、 研究所けんきゅうしょにおいて、 脚註きゃくちゅう巻末註かんまつちゅうもうけて、 各通かくつう大意たいい解説かいせつするなどの 措置そちこうじました。
本書ほんしょを、 ご制定せいていの 『御文書ごぶんしょうーひらがなばん拝読はいどく手引てびきとして、いつでもどこでも ひもとき、 活用かつよういただくことを 念願ねんがんいたします。

 平成十年十一月十三日
 浄土真宗教学研究所所長
    石田慶和
【「刊行にあたって」より 抜粋】


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