《 聖典の講座 》
 
『無常迅速 生死の事大なり』

第52回 出家発心章しゅっけほっしんしょう大意たいい 更新 平成27年12月

親鸞聖人しんらんしょうにんのみ教えでは、 ことさらに家を捨ててさとりを求める心をおこすことが大切なのではありません。
ただ 一心いっしん阿弥陀如来あみだにょらい帰命きみょうする他力の信心が定まるときには、 老若男女ろうにゃくなんにょの区別はないのです。
そして信心を得ている位を、 経典きょうてんには、
即得往生住不退転そくとくおうじょうじゅうふたいてん」と示されています。
このことは、 「臨終りんじゅう来迎らいこうを期待するのではなく、 平生へいぜいにおいて信心が定まるときに 往生おうじょうが定まった身になる」ということです。
親鸞聖人のご 和讃わさんには、 阿弥陀如来あみだにょらい浄土じょうど往生わおうじょうしようと願う人は、 在家ざいけ出家しゅっけか、男か女かなどの違いに かかわらず、またどのような おもつみをもったものであっても、このようなあさましいものを おすくいくださる 阿弥陀如来あみだにょらいの ご本願ほんがんであると知らせていただき、 二心ふたごころなく 如来にょらい如来にょらい帰命きみょうして、 てもさめても 本願名号ほんがんみょうごうを心にたもちなさいと示されています。
このような人を信心の人というのです。
信心しんじんさだまった後には、たとえどのようなときに 念仏ねんぶつとなえても、 仏恩報謝ぶっとんほうしや念仏ねんぶつと思うべきです。
そのような人を、 真実信心しんじつしんじん往生おうじょうさだまった 念仏者ねんぶつしゃというのです。         



※『御文章ごぶんしょう ひらがなばん拝読はいどくのためにー』(本願寺出版社 定価:\756(本体\700+税) 電話 075-371-4171)

  蓮如上人五百回遠忌法要れんによしょうにんごひゃっかいおんきほうよう記念きねんして 『御文章ごぶんしょうーひらがなばん』が ご制定せいていになりました。
本書ほんしょ は、この『御文章ごぶんしょう』を 有縁うえん方々かたがたが、 ただしく 拝読はいどくし、 おきくださった 趣旨しゅしをよく ご理解りかいいただくように 配慮はいりょして 制作せいさくした 解説書かいせつしょです。
御文章ごぶんしょう』は、 蓮如上人れんにょしょうにん浄土真宗じょうどしんしゅうの みおしえの 精髄せいずいを、 人々ひとびと生活せいかつそくしてわかりやすく おきになり、 幾百星霜いくひゃくせいそう脈々みゃくみゃく今日こんにちつたえられてまいりました 宗門しゅうもん大切たいせつ御聖教おしょうぎょうであります。
蓮如上人御一代記聞書れんにょしょうにんごいちだいきききがき』に、 「『御文章ごぶんしょう』は、 凡夫ぼんぶ浄土じょうど往生おうじょうする みちあきらかに うつかがみ」【一七七条】であり、また 「毎日まいにち、 『御文章ごぶんしょう』の とうとい お言葉ことばかせていただくことは、そのつど たから頂戴ちょうだいするようなもの」【二八八条】であると べられている 所以ゆえんです。
本書ほんしょ編集へんしゅう浄土真宗教学研究所じょうどしんしゅうきょうがくけんきょうしょ担当たんとういたしましたが、 勤式指導所ごんしきしどうしょ協力きょうりょくて、 拝読はいどく方法ほうほう考慮こうりょして 本文ほんぶんにわかりやすい 仮名がな拝読符号はいどくふごうし、 研究所けんきゅうしょにおいて、 脚註きゃくちゅう巻末註かんまつちゅうもうけて、 各通かくつう大意たいい解説かいせつするなどの 措置そちこうじました。
本書ほんしょを、 ご制定せいていの 『御文書ごぶんしょうーひらがなばん拝読はいどく手引てびきとして、いつでもどこでも ひもとき、 活用かつよういただくことを 念願ねんがんいたします。

 平成十年十一月十三日
 浄土真宗教学研究所所長
    石田慶和
【「刊行にあたって」より 抜粋】


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