《 聖典の講座 》
 
『無常迅速 生死の事大なり』

第5回 正信偈のあらまし 更新 平成24年1月

 正信偈しょうしんげの 一つ一つのお言葉の意味をうかがうまえに、 正信偈しょうしんげには どんなことが書いてあるのか、大体のことを学びましょう。 行文類ぎょうもんるいの 最後にある 正信偈しょうしんげの 末尾に、親鸞聖人は、
 六十行ろくじゅうぎょう すでに おわりぬ。 一百二十句いっぴゃくにじゅっくなり。     (『注釈版聖典』二○七頁)
と書き記しておられます。そこで蓮如上人は、 『正信偈大意しょうしんげたいい』に、
 そもそもこの 「正信偈しょうしんげ」といふは、 の かず 百二十句ひゃくにじゅうぎょうの かず 六十ろくじゅうなり。 これは 三朝高祖さんちょうこうそ解釈げしゃくによりて、 ほぼ 一宗大綱いっしゅうたいこうをのべましましけり。          (『注釈版聖典』一○二一頁) と言われたのです。 正信偈しょうしんげは 百二十句です。親鸞聖人は御自筆の書物では二句を一行にお書きになっていますから、六十行になります。
 釈尊の説かれた 『仏説無量寿経ぶっせつむりょうじゅきょう』の教え、 すなわち、 阿弥陀如来あみだにょらいの 本願の教えと、その 『仏説無量寿経ぶっせつむりょうじゅきょう』のおこころについて、 インド・中国・日本の 七高僧しちこうそうの 方々がお書きになった書物を導きとして、親鸞聖人が、浄土真宗の教えの要点をお述べになったのが 正信偈しょうしんげです。 親鸞聖人は、自ら 阿弥陀如来あみだにょらいの 救いを信じられるとともに、私たちにも、どうか信じてくれよと、切なる願いをこめて呼びかけてくださいました。 正信偈しょうしんげのおつとめをし、 聖人のお言葉をとおして、 阿弥陀如来あみだにょらいの 本願の教えをお聞かせいただきましょう。
 
 
(話題)
 七高僧しちこうそうのお名前を知っていますか。『注釈版聖典』の巻末註(一四九七頁)などで学びましょう。

※『朗読法話集(第二集)』(本願寺出版社 1.200円 電話 075-371-4171)【『朗読法話集(第二集) 正信偈のこころ』として本願寺より刊行されています。】
この本は 「正信偈念仏偈しょうしんねんぶつげ」の 依経段えきょうだん を50編に分け、一つのテーマでひとつの内容を味わっていただけるようになっています。
※本書を朗読し、自分自身が味わいを深めていきたいものです。



今生最後と思うべし 一このたびのこのご縁は 我一人の為と思うべし 一このたびのこのご縁は 初事と思うべし 一このたびのこのご縁は 聴聞の心得


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