《 聖典の講座 》
 
『無常迅速 生死の事大なり』

第43回 生死を超える道(二) 更新 平成27年3月
(偈文) 
しんうやまおおきに 慶喜きょうきすれば、 すなはちおう五悪趣ごあくしゅ超截ちょうぜつす。
         (第四十二話〜第四十三話)
 浄土真宗は 信心正因称名報恩しんじんしょういんしょうみょうほうおん のみ教えです。
私たちがお浄土に往生する因は信心です。
私たちが、お念仏のみ教えを聞く心になったのも、お寺へお参りするようになったのも、自分がそういう立派な心をおこしたからでは ありません。
阿弥陀如来あみだにょらい光明こうみょうのお育てがあったからこそ、そういう私になることができたのです。
信心も、私が作りかためた信心ではありません。
阿弥陀如来あみだにょらいから与えられた信心です。
信じさせる力もお念仏を となえさせる力も、 南無阿弥陀仏なむあみだぶつ名号みょうごうのなかにこめられています。
名号みょうごうは私の信心となり、お念仏となって私を お浄土につれていってくださるのです。
私の信じている姿、お念仏を となえている姿は、 名号みょうごうがはたらいていてくださる姿なのです。 
阿弥陀如来あみだにょらいをお敬いし、ご法義にあい得たよろこびに 生きる私にしてくださるのも 名号みょうごうの力です。
信心をいただいたそのときに、生死の苦海をのがれて、お浄土に生れて仏になるべき身に定めてくださるのは 名号みょうごうの力です。
私たち人間の力では、どれほどきびしい修行を重ねても、迷いの根を断ち切ってさとりを開くことはほとんど不可能ですが、 阿弥陀如来あみだにょらい名号みょうごうの力によって、迷いの世界を一足とびに超え離れて、 仏の国に往生する私にならせていただくのです。
それによって、命のあるがり、どのような苦悩にあおうとも、決してゆらぐことのない確かな人生を歩ませていただくのです。

(話題) 
名号みょうごうのはたらきについて話し合いましょう。

※『朗読法話集(第二集)』(本願寺出版社 1.200円 電話 075-371-4171)【『朗読法話集(第二集) 正信偈のこころ』として本願寺より刊行されています。】
この本は 「正信偈念仏偈しょうしんねんぶつげ」の 依経段えきょうだん を50編に分け、一つのテーマでひとつの内容を味わっていただけるようになっています。
※本書を朗読し、自分自身が味わいを深めていきたいものです。



今生最後と思うべし 一このたびのこのご縁は 我一人の為と思うべし 一このたびのこのご縁は 初事と思うべし 一このたびのこのご縁は 聴聞の心得


トップページへ   聖典講座に戻る   書庫をみる