《 聖典の講座 》
 
『無常迅速 生死の事大なり』

第30回 念仏者の生活【一】 更新 平成26年2月

(偈文) 
等覚とうがく大涅槃だいねはんしょうすることは、
必至滅度ひっしめつどがん (第十一願) 成就じょうじゅなり。
         (第二十九話〜三十一話)

 名号みょうごうのいわれを信じ、 お念仏をとなえ、 お浄土に生れる身になる、このように申しますと、それまでの私とすべてがすっかりかわって しまって、まるで仏さまのような心になるように思いますが、一体どうなのでしょうか。
 私たちは、ご信心をいただいても、死ぬまで、「欲が多く、いかり、はらだち、そねみ、ねたむ心」は なくなりません。
ですから、私たちの 本性ほんしょうはかわらないのです。
かわらないこの身のままで、仏となるべき身にしていただくのです。
 それなら、 ご信心しんじんをいただく前も、 ご信心しんじんをいただいた後も少しも 変化がないのかというと、そうではありません。

親鸞聖人が、

『ふかくちかひをも しんじ、 阿弥陀仏あみだぶつをも このみまうしなんどするひとは、 もとこそ、こころのままにてあしきことをもおもひ、あしきことをもふるまひなんどせしかども、 いまはさやうのこころをすてんとおぼしめしあはせたまはばこそ、 をいとふしるしにても そうらはめ。』
             【『注釈版聖典』七四〇頁】

といわれたように、 阿弥陀如来あみだにょらい本願ほんがんを信じ、 お念仏を申す人生を歩む人は、これまでの、自分勝手なわがままな心や、 他人に迷惑をかけるような行いを自省して、自らをあらためようと心がけて生きるようになるのです。
人生を正しく、明るく生きる。それが 阿弥陀如来あみだにょらい本願ほんがんを仰ぐ人の人生です。


(話題)
阿弥陀如来あみだにょらいの教えに生きる人の 生き方を具体的に話し合ってください。


※『朗読法話集(第二集)』(本願寺出版社 1.200円 電話 075-371-4171)【『朗読法話集(第二集) 正信偈のこころ』として本願寺より刊行されています。】
この本は 「正信偈念仏偈しょうしんねんぶつげ」の 依経段えきょうだん を50編に分け、一つのテーマでひとつの内容を味わっていただけるようになっています。
※本書を朗読し、自分自身が味わいを深めていきたいものです。



今生最後と思うべし 一このたびのこのご縁は 我一人の為と思うべし 一このたびのこのご縁は 初事と思うべし 一このたびのこのご縁は 聴聞の心得


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