《 聖典の講座 》
 
『無常迅速 生死の事大なり』

第27回 信ずるひとつ 更新 平成25年11月

(偈文) 
本願ほんがん名号みょうごう正定しょうじょうなごうなり。
至心ししん 信楽しんぎょうがん (第十八願)を いんとす。
         (第二十五話〜二十八話)

 南無阿弥陀仏なもあみだぶつ名号みょうごうによって、 私たちはお浄土に生れていく、そのことは一体どこに説かれているのでしょうか。
大無量寿経だいむりょうじゅきょう』によれば、 阿弥陀如来あみだにょらいは、 法蔵菩薩ほうぞうぼさつのときに、 人びとをお浄土に生まれさせようとして、四十八の願いをたてられました。
その中の第十八番目の願いを、第十八願と言います。第十八願とは一体どんな願いでしょうか。
親鸞聖人は第十八願を「至心信楽ししんしんぎょうがん」と言われました。 至心ししんとは、「心から」という強い心もちをいいます。 「信楽しんぎょう」とは、 「南無阿弥陀仏なもあみだぶつ名号みょうごうのいわれをよく聞かしていただいて 疑いがすっかり晴れたことを」をいいます。
言いかえれば、 阿弥陀如来あみだにょらいのお救いを すなおに受け入れて、「私をたよりにせよ」と言われたお言葉にすっかりおまかせした心のことです。
阿弥陀如来あみだにょらいのすくいに一任して、 私心を一切まじえないことです。
 このように、「私にまかせよ、きっと救う」という 阿弥陀如来あみだにょらいの呼び声、すなわち 南無阿弥陀仏なもあみだぶつを私たちがいただいて、 それによって必ず救われるという、その約束をしてくださったのが第十八願、すなわち 至心信楽ししんしんぎょうがんなのです。
ですから、親鸞聖人はここで「至心信楽ししんしんぎょうがんに誓われたとおりです」と述べられたのです。 「至心信楽ししんしんぎょうがん」とは 「本願ほんがんを信じて、念仏を となえるものをきっと往生させるという願い」 ということです。


(話題)
 第十八願について話し合ってください。


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※本書を朗読し、自分自身が味わいを深めていきたいものです。



今生最後と思うべし 一このたびのこのご縁は 我一人の為と思うべし 一このたびのこのご縁は 初事と思うべし 一このたびのこのご縁は 聴聞の心得


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