《 聖典の講座 》
 
『無常迅速 生死の事大なり』

第22回 み光をうけて(一) 更新 平成25年6月

 阿弥陀如来あみだにょらいが生きとし生きるものを 照らしつづけてくださる 光明こうみょうのはたらき、それはどんなはたらきでしょうか。
 たとえば私たちが経験する太陽の光を考えてみましょう。
朝日が昇ると、いままでまっくらだった夜が明けて、 次第次第に明るくなってきます。 そして、ひえびえとしていた気温もだんだん暖かくなってきます。
じっと冷気に耐えていた道端の草や木も、朝日の光を浴びていきいきとしてきます。
天に向かって力いっぱい背のびしているように見えます。
葉っぱから朝日の光をいっぱい吸いこんで、それを枝から幹へ、幹から根へとおくりこんでいます。
どんよりと曇っている日だったら、どうでしょうか。
気温はあがらず、日の光も輝きがなく、草や木も元気がないように思えます。
太陽の光をあびて、植物も動物も人間も、生きとし生きるものすべてはすくすくと成長してゆくのです。
 このように、光には、ものをはぐくむというはたらきがあります。 阿弥陀如来あみだにょらい光明こうみょうに照らされて、私たちも育てられてゆきます。
手を合わすことを知らなかった私が、手を合わすようになり、お念仏を となえたことのなかった私がお念仏を となえるようになる。
みんな 阿弥陀如来あみだによらいのお育てなのです。
このような 光明こうみょうのはたらきを 「調熟ちょうじゅく光明こうみょう」と言います。

(話題)
 調熟ちょうじゅく光明こうみょうについて話し合ってください。


※『朗読法話集(第二集)』(本願寺出版社 1.200円 電話 075-371-4171)【『朗読法話集(第二集) 正信偈のこころ』として本願寺より刊行されています。】
この本は 「正信偈念仏偈しょうしんねんぶつげ」の 依経段えきょうだん を50編に分け、一つのテーマでひとつの内容を味わっていただけるようになっています。
※本書を朗読し、自分自身が味わいを深めていきたいものです。



今生最後と思うべし 一このたびのこのご縁は 我一人の為と思うべし 一このたびのこのご縁は 初事と思うべし 一このたびのこのご縁は 聴聞の心得


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