《 聖典の講座 》
 
『無常迅速 生死の事大なり』

第21回 み光に遇う 更新 平成25年5月

 阿弥陀如来あみだにょらい光明こうみょうは、 ちりのように数あるたくさんの国々を照らし、 一切衆生いっさいしゅじょうを お救いくださいます。
その光明こうみょうは、私の肉眼では 見ることはできませんし、また見えるようなものでもありません。
私たちの心にとどいてくださる 阿弥陀如来あみだにょらいのはたらきのことを、 光明こうみょうというのです。
したがって「一切いっさい群生ぐんじょう光照こうしょうかぶる」といわれたのです。
正信偈しょうしんげの意訳である 「しんじんのうた」には、これを

十二じゅうにのひかり はなちては
あまたのくにてらします
きとしいくるものすべて
このみひかりのうちにあり

と訳されています。
ところが、このようにひとしく 如来にょらい光明こうみょうを受けていても、 ご法座で真剣に耳を傾けて 如来にょらいさまのお育てをいただいている 自分であることを喜んでいる人もあれば、そのことに気づかないで人生を終わる人もいます。
法話に耳を傾けて、お念仏の日暮をしている人の姿には充実感がただよっています。
その人の顔には喜びがあふれています。
名利みょうりに心をうばわれたり、 権力に迷う人の多い昨今ですが、私たちはいま、一人ひとりが、静かに自分の生き方を考えてみる必要がある のではないでしょうか。
この世の地位や名誉・財産などにとらわれているだけの人生で、果たしてよいのでしょうか。
今、私たちも、この光明こうみょうに つねにつつまれて日暮らしをしていることを忘れてはなりません。

(話題)
 阿弥陀如来あみだにょらい光明こうみょうにつつまれて生きる人生とは、 どんな人生でしょうか。


※『朗読法話集(第二集)』(本願寺出版社 1.200円 電話 075-371-4171)【『朗読法話集(第二集) 正信偈のこころ』として本願寺より刊行されています。】
この本は 「正信偈念仏偈しょうしんねんぶつげ」の 依経段えきょうだん を50編に分け、一つのテーマでひとつの内容を味わっていただけるようになっています。
※本書を朗読し、自分自身が味わいを深めていきたいものです。



今生最後と思うべし 一このたびのこのご縁は 我一人の為と思うべし 一このたびのこのご縁は 初事と思うべし 一このたびのこのご縁は 聴聞の心得


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