《 聖典の講座 》
 
『無常迅速 生死の事大なり』

第20回 十二の光(五) 更新 平成25年4月

 阿弥陀如来あみだにょらい光明こうみょうは、 人間がふつう経験する光線のことではありません。
阿弥陀如来あみだにょらい智慧ちえ慈悲じひのはたらきを 光にたとえられたのです。

阿弥陀如来あみだにょらいの さとりの智慧ちえは迷いの世界を 照らし、そこで私たちを救う慈悲じひとして はたらきます。
そして一切衆生いっさいしゅじょうを さとりに導かれるのです。
その救いのはたらき、救いの力のすぐれていることをいろいろな方面から ほめたたえられたのが、先ほどの十二の光明こうみょうです。
阿弥陀如来あみだにょらい光明こうみょうは、いつでも、どこにでもはたらき、 どんな悪人でもお救いくださるのです。
阿弥陀如来あみだにょらい光明こうみょうは、私たちの苦しみのたねをなくし、 この世でうける苦しみをやわらげてくださいます。
まことの信心をあたえてむさぼりの心、いかりの心、ぐちの心をやわらげてくださいます。
阿弥陀如来あみだにょらい光明こうみょうは、私をいつも まもってくださり、 煩悩ぼんのうをもったままでお浄土に 生れさせてくださり、お浄土に生れると同時に仏にしてくださいます。
太陽や月の光よりももっともっとすぐれています。
このような 阿弥陀如来あみだにょらい光明こうみょうは、到らぬところなく照らしつづけて くださいますから、はじめに 「あまねく放って」と言われ、最後に 「塵刹じんせつを照らす」と言われたのです。
塵刹じんせつとは、 ちりのようにたくさんある国々のことです。
今、私たちも、この光明こうみょうに つねにつつまれて日暮らしをしていることを忘れてはなりません。

(話題)
 阿弥陀如来あみだにょらい光明こうみょうに照らされている私たちに ついて話し合ってください。


※『朗読法話集(第二集)』(本願寺出版社 1.200円 電話 075-371-4171)【『朗読法話集(第二集) 正信偈のこころ』として本願寺より刊行されています。】
この本は 「正信偈念仏偈しょうしんねんぶつげ」の 依経段えきょうだん を50編に分け、一つのテーマでひとつの内容を味わっていただけるようになっています。
※本書を朗読し、自分自身が味わいを深めていきたいものです。



今生最後と思うべし 一このたびのこのご縁は 我一人の為と思うべし 一このたびのこのご縁は 初事と思うべし 一このたびのこのご縁は 聴聞の心得


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