《 聖典の講座 》
 
『無常迅速 生死の事大なり』

第18回 十二の光(三) 更新 平成25年2月

次には、 光炎王こうえんのうとは、 炎王光のことです。火がさかんに燃えあがっているように、輝きが極めてすぐれている 光明こうみょうという意味です。 他の諸仏の光明こうみょうは、 阿弥陀如来あみだにょらい光明こうみょうにはとても 及びませんから 阿弥陀如来あみだにょらい光明こうみょうを 炎の王といったのです。 この光明こうみょうは、 地獄じごく餓鬼がき畜生ちくしょうの迷いの やみにさまよう 衆生しゅじょうをさとりの 世界へひき上げてくださるはたらきをもっています。
清浄光しょうじょうこう歓喜光かんぎこう智慧光ちえこうは、 それぞれ、貪欲とんよく瞋恚しんに愚痴ぐちをはなれたにごりのない 光明こうみょうのことです。 清浄光しょうじょうこうは、 私たちの貪りのよごれた心を除いて清らかにしてくださる光、 歓喜光かんぎこうは、 私たちのいかり、にくしみ、ねたみの心を除いて喜びをあたえてくださる光、 智慧光ちえこうは、 私たちの無明むみょうの 心を破って仏の智慧ちえを 信ずる心をおこしてくださる光です。 阿弥陀如来あみだにょらい智慧ちえのはたらきによって、 私たちは、自分だけに都合のよい勝手なむさぼりの心をおこさないようにたしなむようになる でしょう。また怒りや腹立ちの心もうすらいでくるでしょう。 そして道理のわからない愚痴ぐちの心も 影をひそめるでしょう。
「いつでも、どこでも私を救うためにはたらきかけていてくださる 阿弥陀あみださま」
と知らされたら、自分さえよかったらという、他をかえりみない 利己心りこしんも 次第につつしむようになるでしょう。これこそ仏さまの 光明こうみょうのはたらきによるものです。

(話題)
 光炎王こうえんのう清浄光しょうじょうこう歓喜光かんぎこう智慧光ちえこう について話し合いましょう。


※『朗読法話集(第二集)』(本願寺出版社 1.200円 電話 075-371-4171)【『朗読法話集(第二集) 正信偈のこころ』として本願寺より刊行されています。】
この本は 「正信偈念仏偈しょうしんねんぶつげ」の 依経段えきょうだん を50編に分け、一つのテーマでひとつの内容を味わっていただけるようになっています。
※本書を朗読し、自分自身が味わいを深めていきたいものです。



今生最後と思うべし 一このたびのこのご縁は 我一人の為と思うべし 一このたびのこのご縁は 初事と思うべし 一このたびのこのご縁は 聴聞の心得


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