《 聖典の講座 》
 
『無常迅速 生死の事大なり』

第17回 十二の光(二) 更新 平成25年1月

次には、 無碍光むげこうです。 無碍光むげこうから 無称光むしょうこうまでの九つの 光明こうみょうも、 私たちをお救いくださる 阿弥陀如来あみだにょらいの はたらきをあらわされたもので、中でもこの 無碍光むげこうは、そのはたらきの全部を 統括した、全体の徳をあらわされたのです。 無碍むげとは、なにものにもさまたげられない、 邪魔されないというこどす。
光明こうみょうのさまたげになるものには 二つ考えられます。
一つは山や壁などのような物質的な妨害です。
もう一つは、 悪業煩悩あくごうぼんのうという 精神的なさまたげです。
前のさまたげを「外のさわり」といい、後のさまたげを「内のさわり」と言っています。
阿弥陀如来あみだにょらい光明こうみょうは、 山や壁などにもさまたげられませんし、 悪業煩悩あくごうぼんのうにも さまたげられることはありません。
悪業煩悩あくごうぼんのうに さまたげられないということは、いかなる 悪業煩悩あくごうぼんのうを もつ人をも救ってくださることをあらわしています。
このように、外のさわりにも、内のさわりにもさまたげられませんから、 阿弥陀如来あみだにょらい光明こうみょうを、 無碍光むげこうといい、 阿弥陀如来あみだにょらいのことを 無碍光如来むげこうにょらいともいいます。
無対光むたいこうは、 阿弥陀如来あみだにょらい光明こうみょうは、 他の仏の光明こうみょうに比べたら、 比較にならないほどすぐれていることをあらわしています。
また、いかなる 悪業煩悩あくごうぼんのうも、 この光明こうみょうに対抗することができない すぐれた光明こうみょう であることをあらわしています。
このことを蓮如上人は 「たとい罪業ざいごう深重じんじゅうなりとも、 かならず弥陀如来みだにょらいはすくいましますべし」 (御文章五-一)
と仰せになりました。

(話題)
 無碍光むげこう無対光むたいこうについて話し合いましょう。


※『朗読法話集(第二集)』(本願寺出版社 1.200円 電話 075-371-4171)【『朗読法話集(第二集) 正信偈のこころ』として本願寺より刊行されています。】
この本は 「正信偈念仏偈しょうしんねんぶつげ」の 依経段えきょうだん を50編に分け、一つのテーマでひとつの内容を味わっていただけるようになっています。
※本書を朗読し、自分自身が味わいを深めていきたいものです。



今生最後と思うべし 一このたびのこのご縁は 我一人の為と思うべし 一このたびのこのご縁は 初事と思うべし 一このたびのこのご縁は 聴聞の心得


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