《 聖典の講座 》
 
『無常迅速 生死の事大なり』

第15回 み名の救い 更新 平成24年11月

仏説無量寿経ぶっせつむりょうじゅきょう』 (巻上かんじょう)には、 法蔵菩薩ほうぞうぼさつ四十八願しじゅうはちがんをおこされ、 さらにその重要な所を重ねて誓われたことが説かれています。
我建超世願がごんちょうせいがん」ではじまる がそれです。
これを「重誓偈じゅうせいげ」と呼んでいます。
そのうたには三つのことが誓われています。

(一)わたしはえすぐれた がんをたてた。
かならず このうえないさとりを よう。
このがんたしとげないようなら、 ちかって ほとけにはならない。
(二)わたしはかぎりなくいつまでも、 おおいなる めぐみの ぬしとなり、 ちからもなく くるしんでいるものをひろく すくうことができないようなら、 ちかって ほとけにはならない。
(三)わたしがほとけのさとりを たとき、 そのはすべての 世界せかいえすぐれ、 そのすみずみにまでとどかないようなら、 ちかって ほとけにはならない。

(『浄土三部経じょうどさんぶきょう』)
という三つです。
この中の第三番目について、親鸞聖人は、 正信偈しょうしんげに、
重誓名声聞十方じゅうせいみょうしょうもんじっぽう
(かさねて ちかふらくは、 名声十方みょうしょうじっぽうきこえんと)
と言われたのです。
南無阿弥陀仏なもあみだぶつという名前 (名号みょうごう)を衆生に 回向えこうしてお救いくださるのは、 一切の諸仏の中でも 阿弥陀如来あみだによらいだけですから、 とくに三つの誓いの中の第三番目をとりあげられたのです。
阿弥陀如来あみだによらいが私たちを 救ってくださる具体的な方法として、私どもにあたえてくださったのが、 南無阿弥陀仏なもあみだぶつ名号みょうごうです。
その名号みょうごうを 人びとにとどけてかならず救うと 誓われたところに、そのお救いのすばらしさがあります。
(話題)
 「重誓偈じゅうせいげ」をみんなで拝読しましょう。


※『朗読法話集(第二集)』(本願寺出版社 1.200円 電話 075-371-4171)【『朗読法話集(第二集) 正信偈のこころ』として本願寺より刊行されています。】
この本は 「正信偈念仏偈しょうしんねんぶつげ」の 依経段えきょうだん を50編に分け、一つのテーマでひとつの内容を味わっていただけるようになっています。
※本書を朗読し、自分自身が味わいを深めていきたいものです。



今生最後と思うべし 一このたびのこのご縁は 我一人の為と思うべし 一このたびのこのご縁は 初事と思うべし 一このたびのこのご縁は 聴聞の心得


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