《 聖典の講座 》
 
『無常迅速 生死の事大なり』

第14回 法蔵菩薩【ほうぞうぼさつ】に学ぶ 更新 平成24年10月

 法蔵菩薩ほうぞうぼさつのお話は、 私たちに大切なことを教えて下さいます。
法蔵菩薩ほうぞうぼさつのたてられた願を、 親鸞聖人は 「無上殊勝の願むじょうしゅしょうのがん」、 すなわちこのうえもないすぐれた願とか、 「稀有の大弘誓けうのだいぐぜい」、 すなわちたぐいなき  ひろい誓いという最大級の表現をされています。
法蔵菩薩ほうぞうぼさつは、 一つの善根ぜんごんをも積むこともできない、 煩悩ぼんのうのかたまりの私たち 衆生しゅじょうを救おうという、 比類のない願いをたてられたので、親鸞聖人はそのような表現をなさったのです。
次にその願をたてるについて、長い間 思惟しゆいされたということです。
正信偈しょうしんげ」には 五劫ごこうと述べられていますが、 こうというのは、 インドの長い時間の単位です。
それほど長い時間をかけて考えに考えぬいてたてられた願が
四十八願しじゅうはちがん」です。
善根ぜんごん一つも積むことができない、 罪の深い、 煩悩ぼんのうにみちみちたこの私を救おうと誓われた 法蔵菩薩ほうぞうぼさつです。
ここには、この私を救うために、 法蔵菩薩ほうぞうぼさつが どれほど ご苦労くろうなさったかがあらわされています。
迷いの 境涯きょうがいから 出ることのできない人びとを救おうという 誓願せいがんですから、 五劫ごこう思惟しゆいとか、 稀有の大弘誓けうのだいぐぜいと言われるのです。 法蔵菩薩ほうぞうぼさつの話をとおして、 私の迷いがどれほど深いか、また、その私を救うための仏さまのご苦労を考えてみましょう。

(話題)
 法蔵菩薩ほうぞうぼさつについて話し合いましょう。


※『朗読法話集(第二集)』(本願寺出版社 1.200円 電話 075-371-4171)【『朗読法話集(第二集) 正信偈のこころ』として本願寺より刊行されています。】
この本は 「正信偈念仏偈しょうしんねんぶつげ」の 依経段えきょうだん を50編に分け、一つのテーマでひとつの内容を味わっていただけるようになっています。
※本書を朗読し、自分自身が味わいを深めていきたいものです。



今生最後と思うべし 一このたびのこのご縁は 我一人の為と思うべし 一このたびのこのご縁は 初事と思うべし 一このたびのこのご縁は 聴聞の心得


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