《 聖典の講座 》
 
『無常迅速 生死の事大なり』

     
第138回  蓮如上人御一代記聞書れんにょしょうにんごいちだいきききがき新釋 更新 2023年2月

 (八) 佛心の徹到てっとう
 三河の教賢、伊勢の空賢とに対して、 おおせに、南無といふは 帰命きみょう、このこころは御たすけ候へとたのむなり。
 この 帰命きみょう のこころ、やがて 発願廻向ほつがんえこうのこころを感ずるなりと、 おおせられ候なり。
 

 【意訳】
 三河の 教賢きょうけんと、伊勢の 空賢くうけんとに対して 「南無というは 帰命きみょうということである、その帰命のこころは、御たすけくださいませと、おまかせすることである。
 このたのむ帰命の 当体そのとき発願廻向ほつがんえこうのこころ、即ち佛が願をおこして 衆生しゅじょうぎょう廻向えこうしてくださるこころを、感通するのである」と、 蓮如上人れんにょしょうにんおおせになった。
 
 【解説】
 「たすけたまへとたのむ」ということは、 蓮如上人御一代れんにょしょうにんごいちだい御教語みおしえであって、  帰命きみょうのこころを やわらげさせられた 御教化ごきょうけである。
  とは 帰順きじゅんめいとは おおせ。
 「まかせよたすける」の おおせに、疑わず 帰順きじゅんして、 思召おぼしめしのままにおたすけくださいませと、 大悲だいひ勅命ちょくめい信順しんじゅんすることである。
 たすけんと 思召おぼしめしたちたまえる 弥陀みだ大悲廻向だいひえこうが、私どもに 徹到てっとうして、 帰命きみょうのこころとなることを示されたのである。



※『蓮如上人御一代記聞書れんにょしょうにんごいちだいきききがき新釋』 
    梅原真隆うめはらしんりゅう
本願寺出版社
電話 075-371-4171
 

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