《 聖典の講座 》
 
『無常迅速 生死の事大なり』

  
第105回 女性のための正信偈しょうしんげ
「かさねてのちかい
更新 2020年5月

 8 かさねてのちかい

  「重誓名声聞十方じゅうせいみょうしょうもんじっぽう
【かさねて誓うらくは 名声十方に聞こえんと】

 四十八しじゅうはちの願を説き終わった 法蔵比丘ほうぞうびくは、重ねて、三つのことを誓われます。

 一 私は世に超え すぐれた願をたてました。この願により すべての人々が真実の救いを うることができるでしょう。
もし、この願が実現しないようなら、誓って仏になりません。
 二 私は これから未来永遠に、大いなる施しの主となり、すべての人々の 諸々もろもろの貧しさからおこる苦悩を救おう。
それができなかったら、誓って仏にはなりません。
 三 私が仏になったならば、私の名前は十方のあらゆる世界にとどくでしょう。
もし、聞こえないところがあるようでは、誓って仏にはなりません。
 この三つの誓において、重ねて、私たちの如来の真実(親のまこと)に う道を明らかにしてくださるのです。
 すなわち、 阿弥陀如来あみだにょらいは、 「南無阿弥陀仏」の 名号みょうごうとなって、私たちの胸に至り届いてくださるのです。
 自愛心と疑いによって 小さな からを こしらえて 
とじこもっている私を、「南無阿弥陀仏」の呼び声となって ゆすぶり、 目覚めさせようと はたらき つづけてくださるのが阿弥陀如来なのです。
 「南無阿弥陀仏」は ただの名前ではありません。
それは、阿弥陀如来の私たちを救わんがための はたらき(大行)そのものであり、 阿弥陀如来のすべての徳が こめられているのです。
 それで 親鸞聖人しんらんしょうにんは、


  の行は、 すなわれ、 諸々もろもろ善法ぜんぽうせっし、 諸々もろもろ徳本とくほんせり、 極速円満ごくそくえんまんす、 真如一実しんにょいちじつ功徳宝海くどくほうかいなり、 かるがゆえ大行だいぎょうと    なづく。
 
           【「教行信証きょうぎょうしんしょう行巻ぎょうかん


 
 と おっしゃるのです。
 
 母は、まだ目の開かない赤ん坊に、「お母さんよ」という、自らの名のり において、赤ん坊に真の安らぎと生きる力を与えるのです。
 阿弥陀如来は、まだ真実に目覚めない私たちに、
「南無阿弥陀仏」の 名号みょうごうとなって、私たちの胸に至り、私たちに真の安らぎと生きる力を与えてくださるのです。




※『女性のための正信偈しょうしんげ』 
    藤田徹文ふじたてつぶん
本願寺出版社
電話 075-371-4171
 

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今生最後と思うべし 一このたびのこのご縁は 我一人の為と思うべし 一このたびのこのご縁は 初事と思うべし 一このたびのこのご縁は 聴聞の心得


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