《 聖典の講座 》
 
『無常迅速 生死の事大なり』

  
第101回 女性のための正信偈しょうしんげ
組織そしきについて」
更新 2020年1月

 4 組織そしきについて
 つぎの六十行・百二十句からなる 『正信偈しょうしんげ』の組織について考え観たいと思います。
 はじめの 「帰命無量寿如来きみょうむりょうじゅにょらい南無不可思議光なもふかしぎこう」の二句は、 親鸞聖人しんらんしょうにんの 「私は、この苦しみと悲しみの人生を 無量寿如来むりょうじゅにょらい阿弥陀如来あみだにょらい】のおはたらきによって、力強くまっすぐに生きぬく身にしあげられました」 というよろこびの お言葉であります。
法蔵菩薩因位時ほうぞうぼさついんにじ」から、 「難中之難無過斯なんちゅうしなんむかし」までの部分は、親鸞聖人が 「大聖だいしょう真言しんごんし」といわれるところであります。
 大聖だいしょうとは 釈尊しゃくそんのことであり、 真言しんごんとは真実のお言葉ということです。
 真実のお言葉とは、にせの言葉でもなければ、仮の まにあわせの言葉でもない言葉ということです。
 具体的には、 「大無量寿経だいむりょうじゅきょう」のことです。
 ですから、前半は親鸞聖人ご自身の信心を述べられるとともに、 「大無量寿経だいむりょうじゅきょう」に説かれる如来の真実を あかし よろこばれる一段であります。
印度西天之論家いんどさいてんしろんげ」からの後半は、親鸞聖人が 「大祖だいそ 解釈げしゃく えつして」とおっしゃっている部分です。
 大祖だいそとは、インドの 龍樹菩薩りゅうじゅぼさつ天親菩薩てんじんぼさつ、中国の 曇鸞大師どんらんだいし道綽禅師どうしゃくぜんじ善導大師ぜんどうだいし、日本の 源信和尚げんしんかしょう法然上人ほうねんしょうにんという 阿弥陀如来あみだにょらいの おはたらきをよろこばれた七人の 高僧こうそうのことです。
 「解釈げしゃく えつして」とは、その七高僧が
大無量寿経だいむりょうじゅきょう」の  み教えをよろこばれたおこころを、親鸞聖人が味わわれたということです。
 最後の 「弘経大士宗師等ぐきょうだいししゅうしとう拯済無辺極濁悪じょうさいむへんごくじょくあく道俗時衆共同心どうぞくじしゅうぐどうしん唯可信斯高僧説ゆいかしんしこうそうせつ」の四句は 私たちに信心をすすめて、しめくくってくださっているのです。




※『女性のための正信偈しょうしんげ』 
    藤田徹文ふじたてつぶん
本願寺出版社
電話 075-371-4171
 

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今生最後と思うべし 一このたびのこのご縁は 我一人の為と思うべし 一このたびのこのご縁は 初事と思うべし 一このたびのこのご縁は 聴聞の心得


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