《 聖典の講座 》
 
『無常迅速 生死の事大なり』

第10回 無量寿如来 更新 平成24年6月

 阿弥陀如来あみだにょらいは、寿命じゅみょう無量むりょうであり、光明こうみょう無量むりょうである仏さまです。正信偈しょうしんげのはじめに無量寿如来むりょうじゅにょらいといわれていますが、如来にょらいとは、真実のさとりの世界から私たちを救うためにあらわれてくださったお方という意味で、仏さまとも申します。仏さまとは覚者かくしゃということで、真理をさとった方という意味です。それも、自分だけがさとられたのではなくて、私たち衆生しゅじょうをもさとらせてくださるのです。
無量寿如来むりょうじによらいとは、はかりなきいのちの如来にょらいさまという意味です。
はかりなきいのちとは、死ぬことのない永遠のいのちです。煩悩ぼんのうを断ちきった境地におられる仏さま、永遠のいのちをもった仏さまですから、阿弥陀如来あみだにょらいの救いのはたらきは時間的に限りがありません。 永遠のいのちとは、過去、現在、未来という三世をつらぬく無限のいのちのことですから、 阿弥陀如来あみだによらい衆生しゅじょうをお救いくださるはたらきには限界がないのです。いつの時代の衆生しゅじょうをも必ずお救いくださる、永遠に活動してくださる仏さまです。今も私たちを救うためにはたらきかけてくださっています。したがって、「帰命無量寿如来きみょうむりょうじゅにょらい」とは、いつの時代の衆生しゅじょうをもお救いくださる救済力の完全な寿命無量じゅみょうむりょう阿弥陀あみださまのおおせにしたがいますという、親鸞聖人の絶対的に随順された帰依きえの姿をあらわしています。私たちも、聖人のように、阿弥陀如来あみだによらいのおおせにしたがった人生を歩まなければなりません。

 
(話題)
 如来にょらいさま、仏さまとはどういうお方でしょうか。


※『朗読法話集(第二集)』(本願寺出版社 1.200円 電話 075-371-4171)【『朗読法話集(第二集) 正信偈のこころ』として本願寺より刊行されています。】
この本は 「正信偈念仏偈しょうしんねんぶつげ」の 依経段えきょうだん を50編に分け、一つのテーマでひとつの内容を味わっていただけるようになっています。
※本書を朗読し、自分自身が味わいを深めていきたいものです。



今生最後と思うべし 一このたびのこのご縁は 我一人の為と思うべし 一このたびのこのご縁は 初事と思うべし 一このたびのこのご縁は 聴聞の心得


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