☆☆ 法 話 ☆☆
 
【 私の如是我聞 】

第5回 「すべては平等」 更新 平成24年1月

 阿弥陀如来さまのご本願は、すべてのものを分け へだて なく救おうという、平等の 慈悲じひを あらわされたものです。そのご本願を聞いて、疑いなく受け入れる信心の起こるとき、自分も人も、如来さまの大きな 慈愛じあいに 包まれている身であることを知らされます。そして、私どもはみな、阿弥陀如来さまという共通の みおやを 持つ兄弟であり、 とも同朋どうぼうであることに 気付くようになります。
 このような信心は、私どもの、ものの考え方や生き方を変えていきます。如来様のお慈悲の光に照らされて、わが身を かえりみるとき、 人のことよりも自分の都合ばかりを優先させている、自分本位の生き方の浅ましさを、思い知らされるからです。
 もともと、如来さまの慈悲の とは、 すべての人々に、まことの幸せを与えようと願ってくださる心であり、 とは、 人々の悲しみを、わがこととして痛み、その苦しみを取り除こうと願ってくださる心でした。このような如来さまの大きなお慈悲に感動し、そのお徳を 讃嘆さんだんする 信心の行者は、今までの自分本位の生き方を改めて、同朋の苦悩をみずからの痛みとして分かち合い、行動するような人間に育てられていくのです。
 そうした願いを持つとき、私どもの社会が、数多くの問題を抱えていることが見えてきます。如来様のお慈悲の光に包まれている一人ひとりの「いのち」のかけがえのない尊さを知らせていただくにつけても、現実に「いのち」の  尊厳そんげんを 傷つけている部落差別をはじめ、人種差別・性差別・障碍者差別など、さまざまな差別は決して見過ごすことのできない問題です。
 なかでも部落差別の解決は重大な課題です。部落差別をなくするために、多くの人々による真剣な解放運動が展開されていますが、現に国に対して 「部落解放基本法ぶらくかいほうきほんほう」の 制定を要求して、国民的規模でくりひろげています。私どもの本願寺派も、教団を げて この問題に取り組んでいることはご承知の通りです。
 「いのち」の尊厳を傷つけるようなあらゆる差別をなくし、みんなが平等に心豊かに生きることのできる、平和な 御同朋おんどうぼうの 社会の実現をめざすことは、如来さまから「いのち」のかけがえのない尊さを知らせていただいたものが、みずからの信心の「しるし」として、積極的に取り組まねばならない課題なのです。
 如来さまから 頂戴ちょうだいした 信心を、ただ 自己じこの 内面だけに留めておかないで、同朋の苦難の解消に積極的にかかわり、社会のさまざまな差別の現実を、少しずつでも改善しようと努力するのが、「仏の大悲心を学ぶ」信心の 行者ぎょうじゃの つとめであります。
 では最後に、ご一緒にお念仏申しましょう。南無阿弥陀仏・・・・。

※『朗読法話集(第一集)』(本願寺出版社 1,300円 電話 075-371-4171)
読経だけでなく、少しでも、み教えを味わっていただけるようにとの願いから、本願寺から刊行されました。
※本書は「仏の教え」「浄土真宗の教え」「特別法話」「荘厳・仏事・作法」の四種類に分類しています。一つの法話で ひとつの内容を味わっていただけるよう編集されています。
※ご法座の最後は、「では最後にご一緒にお念仏申しましょう」といって、一同がお念仏を申しながら、 合掌礼拝して終了します。




今生最後と思うべし 一このたびのこのご縁は 我一人の為と思うべし 一このたびのこのご縁は 初事と思うべし 一このたびのこのご縁は 聴聞の心得


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