☆☆ 法 話 ☆☆
 
【 私の如是我聞 】

第4回 「いのち」への共感 更新 平成23年12月

人間の「いのち」の尊さを認め、全人類の自由と平等を願う人権の思想は、一九四八(昭和23年)年、第三回国連総会において、『世界人権宣言』としてあらわされています。ここであらためて、人間の「いのち」の尊さを説き示された、親鸞聖人のおこころをたずね、ほんとうの自由と平等とは何かを確認したいと思います。
 親鸞聖人は、私どもはつねに、阿弥陀如来の光の中にあると仰せられました。如来の 智慧ちえ慈悲じひのこころは、 あらゆる人びとを差別しないで、平等に照らしおさめ、あらゆる「いのち」は、如来様の光をうけて輝いていると教えてくださったのです。それゆえ、念仏の教えに生きるものは、たがいに「いのち」への共感をもち、ともに浄土への道を歩もうと心に誓うものです。人が人を差別することを認めず、お互いが尊敬と思いやりをもって生きるところに、念仏者の生き方があるといえましょう。
 親鸞聖人は、「如来は 衆生しゅじょう一子いっしの ごとく 憐念れんねんす」 (『浄土和讃』・『注釈版聖典』五七七頁)といわれました。 私が如来さまから、かけがえのない「ひとりご」のように、大切に思われているということに気づくことは、同時に一切の衆生の一人ひとりが、如来様から「ひとり子」のように念じられている ほとけの 子であることに、気づかせていただくことでもあったわけです。そのとき、みんなが同じみ親をもつ兄弟であることにめざめ、ともに手をとりあって生きていこうとつとめる世界が開けていきます。
 私どもが、自我のからにとじこもらず、如来さまの 慈悲じひを 通して、たがいに御同朋としてのめざめをもつとき、現実のいろいろな差別と取りくむ生き方が開けてきます。「いのち」の尊厳をそこなうような、さまざまな差別を生み出してきた、私ども一人ひとりの歩みをかえりみて、現実の差別の実態を少しでも変えようとする営みがなければ、聖人のこころを受けついで生きるものとはいえないと思います。
 では最後に、ご一緒にお念仏申しましょう。南無阿弥陀仏・・・・。

※『朗読法話集(第一集)』(本願寺出版社 1,300円 電話 075-371-4171)
読経だけでなく、少しでも、み教えを味わっていただけるようにとの願いから、本願寺から刊行されました。
※本書は「仏の教え」「浄土真宗の教え」「特別法話」「荘厳・仏事・作法」の四種類に分類しています。一つの法話で ひとつの内容を味わっていただけるよう編集されています。
※ご法座の最後は、「では最後にご一緒にお念仏申しましょう」といって、一同がお念仏を申しながら、 合掌礼拝して終了します。




今生最後と思うべし 一このたびのこのご縁は 我一人の為と思うべし 一このたびのこのご縁は 初事と思うべし 一このたびのこのご縁は 聴聞の心得


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