☆☆ 法 話 ☆☆
 
【 私の如是我聞 】

                   
第104回 中間を行なう更新 2020年4月
          
 『ひとえにやさしくても、またひとえに きびしくても、自らを大なる地位にたもつこはできない。
 だから両者を併用へいようすべきである。
 やさしいと あなどりを受けるし、厳しすぎると うらみを買う。
 この両者を知ってその中間を行なうべきである。』
             【「本 生」】
 近ごろ人間関係ということが やかましく言われています。世の中が組織的になればなるほど、組織のなかの人間の あり方が問題になり、 人をうまく組織に のせてゆくことが必要になってきます。
 「人の心を捉える法」とか「リーダーシップ」とか、いろいろと言われるわけです。
 その職にある人は いま そのことで心を悩ましています。
 このことばは、それについて重要なことを教えています。
 ただ やさしいばかりでは かえって侮りをうけ、ただ きびしいばかりでは恨まれる。
 だから その中間を行け、というのです。
 ちょっと見ますと、たいへん常識的すぎるように思われます。
 しかし中間とは、 やさしさと厳しさを足して二で割るということではありません。
 「この両者を知って」ということは、この両極端を こえて ということです。
 これを こえた立場から、時に応じて やさしくも厳しくも対処することができるのです。
 それは柔軟心にゅうなんしんといわれるものであります。
 もはや これは たんなる技術ではありません。
 したがって定式化するわけにはいきません。
 しかし、たしかにあるのです。
 そういう つかみどころのないようなものでは困るという人は、その人自身が技術主義に おちいっているのです。
 じつは これあってこそ、あらゆる技術も生かされてくるのです。
 では具体的に どうしたらいいのか。と 性急せいきゅうに聞く人があります。
 その人は人間が精神をもった存在であることを忘れているのです。
 具体的といいながら、その人自身はなはだ 抽象的ちゅうしょうてきであることを考えたいと思います。
 


※『ひかりの言葉』
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